ゲド戦記5 アースシーの風 U.K.ル=グウィン

| コメント(0) | トラックバック(0)

何となく鬱陶しいジェンダー思想丸出しになっちゃったゲド戦記。  気分的には「もうおなかいっぱい!」っていう感じで最後まで読み続けるのにあんまり気が進まなかったのですが、何事も途中で放り出すのはどうも苦手な性分で、手掛けてしまった以上終わりまでいくしかない・・・・・^^;  ま、てなわけで本日の KiKi の読了本はこちらです。

ゲド戦記5 アースシーの風
著:U.K.ル=グウィン 訳:清水真砂子  岩波書店

51ZS8D0JCRL._SL500_AA300_.jpg  (Amazon)

故郷のゴント島で妻テナー、養女テハヌーと共に静かに余生を送るゲド。  竜が暴れだし、ふたたび緊張が高まるアースシー世界。  テハヌーは王宮に呼び出され、レバンネン王から重要な使命を与えられる。  (ソフトカバー版扉より転載)

ゲド戦記6 アースシーの風
著:U.K.ル=グウィン 訳:清水真砂子  岩波少年文庫

51ZllPxAOuL._SL500_AA300_.jpg  (Amazon)

故郷の島で妻テナー、養女テハヌーと共に静かに余生を送るゲドも、70歳になった。  ふたたび竜が暴れだし、緊張が高まるアースシー世界を救うのは誰か。  (岩波少年文庫HPより転載)

気が乗らない中での読書だったので、正直なところあまりのめり込むことができませんでした ^^;  どちらかというと活字を追っているうちになんとか終わっちゃってやれやれ・・・・っていう感じでしょうか?  ところどころにはっとさせられるような記述もあるんですけど、結局どこかしらにジェンダーバイアスがかかったような記述が出てきて、そこで興ざめ・・・・・(苦笑)  KiKi 個人の結論としてはもともとのゲド戦記だった第3巻までで十分じゃないか?っていう感じです。

この作品から KiKi が読み取った一番大きなメッセージと思えるものは、「人間がこの世界をあたかも自分たちのために作りかえてきたかのように傲慢に振る舞っていることに対するある種の警鐘」という感じでしょうか・・・・。  

あまり気乗りしないで読み進んだので、正しく読み取れている自信はまったくないんだけど、


竜と人間とは、もともとはひとつの種族だった。

竜は自由を、人間は土地とくびきを選び、同時に東と西に棲み分けるようになった。

でもアーキペラゴの人々は、本来竜のものであったはずの自由を得るために(≒ その究極の形が不死)彼らはそれを何とか実現するために魔法の力で「永遠に生きる国=死者の国(石垣の向こう)」を作った。

このことが、竜を怒らせ、同時に世界の均衡がくずれる遠因となった。

一方、魔法を蔑視してきたカルカド帝国の人々は「死者の国(石垣の向こう)」を作ることはなかったが、輪廻転生という形で永遠に生き続けるという信仰を持つに至った。

この巻の物語冒頭で登場する、妻を亡くして以来悪夢にうなされるようになったハンノキはそんな石垣の向こうの人たちと接触し、彼らが求めているのは、永遠の命ではなく安らかな死であることを告げるメッセンジャーの役割を果たすに至った。

ハンノキのメッセージを受け取ったアーキペラゴの人々のうち主だったもの(アーキペラゴの王、その妃にとカルカド帝国から送られた姫、魔法使いの長たち、元アチュアンの巫女(テナー)、竜の子であり人の子でもあるオーム・アイリアン(ドラゴンフライ)とテルー(テハヌー))が初めて一堂に会し、それぞれの文化を認め合い、それぞれの思想に流れる共通項をベースに今、何が起こっているのかを探り当てる努力を始めた。

魔法の力で構築されていた石垣を取り壊した時、生と死をコントロールしたと錯覚していたアースシーの人々は、初めて「あるべき死の姿(≒ 本当の死)」を取り戻し、ようやくアースシーには新たな吹くべき風が吹くようになった。


・・・・・・とまあ、こんな風に読み取ったわけです。  まあ、太古の時代から我々人間は「不老不死」を求め、現代では「老化を悪とみなす」風潮も盛んで、BS TV を観ていると1日に何度も何度も「見た目年齢」という言葉を聞かされ、外見だけでも若々しさを保つことに必死になっている姿(しかもそれだけなら実現できそうな科学の発展)を見せつけられるわけだけど、結局のところ「生死を超越した」存在にはなりえていません。

いずれにしろ、ゲドがハンノキに語った

人間と動物のちがいはことばだけじゃないな。  もしかしたら、こういうことじゃないだろうか。  つまり、動物は善もなさなければ悪もなさない。  なさなければならないようになす。  それだけのこと。  わたしたちは動物のすることを見て、有害だとか有益だとか言うが、良い悪いは、何をするか選ぶことを選んだ我々人間の側の問題なんじゃないだろうか。  竜はたしかに危険だよ。  人間に危害を加えることもある。  だが、竜たちは悪意があってやっているのではない。  竜たちはほかの動物と同じで、その徳性が我々のそれに届かないんだよ。  あるいははるかに越えていると言ってもいい。  つまるところ、そんなものと関係なく生きているんだ。


という言葉が KiKi にとってはこの物語の中で一番多くのことを考えさせられたセリフとなりました。  そういう意味で、第4巻以降めっきり出番が少なくなってしまい「この物語のどこがゲド戦記?」と思わないでもなかったこの連作物語。  この最終巻のこのセリフに至りようやく KiKi は何となく・・・・ではあるものの、「なるほど、やっぱりこれはゲド戦記か・・・・・」と感じられるようになりました。

もっとも・・・・・・  この物語の原題は "Tales from Earthsea" ですから、「何故にゲド戦記?」という問いかけは最初にこの物語群のタイトルを「ゲド戦記」と名付け、その後(第4巻発刊以降)も変えることなくここに至った日本の出版界(もっと言えば岩波書店)にぶつけるべき質問なんでしょうけどね(笑)

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://poco-a-poco.chu.jp/mt/mt-tb.cgi/1576

コメントする

2015年2月

1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28

Current Moon

CURRENT MOON

東京のお天気


山小舎のお天気


Booklog



ブクログ

アーカイブ

ウェブページ

Powered by Movable Type 4.261

TrackbackPeople

クラシック・ピープルの Trackback People Site


チェロ ラヴァーズの Trackback People Site


Piano~ぴあの Trackback People Site


ピアノオススメ教本の Trackback People Site


ピアノ教室の Trackback People Site


Book Love Peopleの Trackback People Site


本好きPeople・ぴーぷるの Trackback People Site


今日読んだ本の Trackback People Site


ファンタジーが好き♪の Trackback People Site


この絵本がすごい!の Tackback People Site


児童書大好き♪の Trackback People Site


ハヤカワepi文庫の Trackback People Site


岩波少年文庫応援団の Trackback People Site


薪ストーブの Trackback People Site


週末は田舎暮らしの Trackback People Site


野菜育てPeopleの Trackback People Site


ガーデニングの Trackback People Site


パッチワークキルトの Trackback People Site


あなたの訪問は?


日めくりカレンダー


Real Time News


カテゴリ

ノルンはいくつ?

本が好き!


読書メーター

KiKiさんの読書メーター
KiKiさんの読書メーター

最近読んだ本

KiKiの最近読んだ本

今読んでいる本

KiKiの今読んでる本

読了目標





今やってるゲーム

KiKiの今やってるゲーム

このブログ記事について

このページは、KiKi (Brunnhilde)が2013年11月16日 11:17に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「ホビット 思いがけない冒険」です。

次のブログ記事は「ホビット 竜に奪われた王国 のPV」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

高速運賃





Edita

ブロガー(ブログ)交流空間 エディタコミュニティ

名言黒板


作家別タグ