宮本武蔵 01 序、はしがき & 02 地の巻 吉川英治

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つい先日、このエントリーでお話したように、ほんの少しだけ Kindle の操作を理解したことによって何とか読むことができるようになった「吉川英治・宮本武蔵」を早速読み始めてみました。   「吉川英治・三国志」の方は現段階では全巻通読できないことが判明したのでしばらくの間、お休みです(苦笑)

宮本武蔵 01 序、はしがき
著:吉川英治 青空文庫

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宮本武蔵 02 地の巻
著:吉川英治 青空文庫

51QQkBkc8TL._AA278_PIkin4,BottomRight,-46,22_AA300_SH20_OU09_.jpg  (Amazon)

野に伏す獣の野性をもって孤剣をみがいた武蔵が、剣の精進、魂の求道を通して、鏡のように澄明な境地へ達する道程を描く、畢生の代表作。若い功名心に燃えて関ケ原の合戦にのぞんだ武蔵と又八は、敗軍の兵として落ちのびる途中、お甲・朱実母子の世話になる。それから一年、又八の母お杉と許婚のお通が、二人の安否を気づかっている作州宮本村へ、武蔵は一人で帰ってきた。  (Amazon 吉川英治文庫の内容紹介より転載)

世の男性諸氏にとっては「宮本武蔵」という名前は何らかの憧れをもって語られることが多いのではないかと思うのですが、残念なことに(?) KiKi は一応♀なので、これまでの人生の中でさほど彼という人物に興味をもったことがありませんでした。  時代小説・歴史ものは昔から好きだったうえに「吉川英治の宮本武蔵」とくればそこそこ評判も良かった作品なので、文学作品としての興味は辛うじて持ちあわせていたけれど、それ以上でも以下でもない・・・・・・そんな感じでした。

ま、その程度の興味なのでこの「吉川・宮本武蔵」は大学時代に斜め読みでサラサラッと一読したことはあれど、恐らくあまり熱意を持って読んだという感じではなかったのでしょうね。  正直なところ、さほど感銘を受けたとは言い難い読書だったうえにどんなお話だったのかもうろ覚え状態でした。  ま、逆に言えばその程度の「いい加減読書」しかしていなかったということもあって、以前から「機会があればもう一度読んでみよう」という思いだけは抱き続けてきた作品でした。

今回、Kindle で無料本として Get できたのはそういう意味では KiKi にとっては「神の恩寵」と言っても過言ではないような出来事で、迷わず最初のダウンロード本として選んでみました。 

「三国志」の方もそうだったけど「01 序」は本当に序文だけ・・・・・(笑)  でも、ここを読んでみると作者「吉川英治さん」がこれらの作品・その世界観・登場人物たちにどんな想いを抱いているのかがじんわりと伝わってきて、それが作品を読み進めていく中であたかも地下を流れる伏流水の如く、表面的には何ら声高な主張はしていないものの、「なくてはならないもの」「作品に流れるある種の生命線」のようにじわじわと伝わってくる感じがします。  と同時に、イマドキの本では滅多に味わえない何とも深みのある語彙選択・日本語のリズム感の美しさみたいなものが感じられます。


さて、実質的な第1巻にあたるのが「02 地の巻」です。  この段階での武蔵はまだまだ「宮本武蔵」という名前自体がしっくりこない、「新免武蔵(たけぞう)君」であり、沢庵和尚のお言葉通り「短慮・浅薄の暴れん坊、野獣みたいなもの」という印象です。  もっとも、沢庵和尚の決して長いとは言えない言葉の中から何かを感じ取り、我が事としてそこから何かを悟る「天性の勘」みたいなものは、はっきりと示しています。  さらに、その沢庵和尚の導きにより姫路城の天守での「ひきこもり修行」の3年間、書物だけを助けとして自分と向き合う時間を持ち生まれ変わります。  このシーンを読んでいて KiKi は子供時代のことを思い出していました。

KiKi の子供時代、KiKi の伯母の家(何かあると親戚一同が集まるいわゆる「本家」みたいな家だった)には「お蔵」と呼ばれる部屋がありました。  家の中の一室なんだけど、そこだけ分厚い扉で外から鍵がかかり、さらにその分厚い扉の手前には針金が亀甲模様に組まれたもう一枚の扉があり、子供の目には牢屋に見えなくもない部屋でした。  その部屋には窓1つ無く、土壁に囲まれて裸電球1つがぶらさがっているある種の異空間で、暗いのみならず冷え冷えとしていました。  そしてこの部屋のノーマルな使い方は「物置部屋」なわけだけど、同時に私たち甥っ子・姪っ子のお仕置き部屋でもありました。

「親の言うことを聞かない」、「お手伝いをしない」、「口ごたえをする」、「いとこ同士でじゃれあって大騒ぎをする」というような伯母さんのご機嫌を損ねるような言動があると、気が強くて声も大きい伯母さんの雷が落ちて「お蔵!」の一言と共にその部屋に30分ぐらい幽閉されてしまいました。  その部屋に入れられた時の心細さと言ったら・・・・・・・。  泣こうが喚こうが外には音も漏れない(これはいとこが入れられた際に外にいて確認済み)し、当然中からその部屋をあけることはできません。  小さな裸電球1つの頼りない灯りの下で、自分以外の人間の気配さえ感じられません。  扉を出たすぐその先には両親やら親戚、あの怖い伯母さんがいることはわかっていても、当然中にいる自分には外の気配を窺い知ることもできません。

そんな中で過ごす5分は30分にも1時間にも感じられるし、泣いても喚いても何の反応もどこからも返ってこないのです。  最初のうちは自分をこんなところに閉じ込めた伯母をうらむ気持ちと自分の庇護者と信じていた両親と引き離された心細さでいっぱいなんだけど、そのうちに「このまま永久にここから出してもらえないんじゃないか?」と感じるようになり、「何故、ここへ入れられることになってしまったのか?」を考えずにはいられなくなります。  不思議なもので、暗い中に閉じ込められると泣き疲れた頃に見つめるのは自分自身でしかなくなるというのは KiKi もその子供時代に散々経験させられました。

そして、そうこうしているうちに「何故、自分はここへ入れられたのか」が腑に落ち、一度は恨みかけた伯母のことは忘れ、自分の庇護者たる両親が必ずここから出してくれるという確信に満ちていきます。  と同時に、「今度ここから出してもらえたらちゃんと謝ろう」と子供心に固く決意させるほどの効果がある「お仕置き」でした。  あの「お蔵入り」と同じような環境に3年間!!  当時の KiKi と比べるとこの時点での「たけぞう君」は遥かに年長だし、腐っても、もののふ(武士!)なわけですから、精神力は比較できるようなものではないけれど、それでもこれは驚嘆すべきことだと感じました。

と同時に、それまで「暴れること」でしか自己の表現手段を持たなかった青年が生まれ変わるのにああいう環境ほど効くモノはないというのは KiKi にはよ~く理解できるお話でした。  初読の際、あの「お蔵のお仕置き」のことを思い出した記憶はまったくないのに、今回はそれを思い出したのは何でだろう??  あの怖かった伯母さんが今年亡くなって、もう二度と「お蔵!」の一言を聞くことができないから・・・・なのかな??  それとも日に日に老いていく両親を見つめているうちに、自分を育ててくれた環境・時間に思いを馳せるようになってきたからなのかな??  

さて、次巻から、「たけぞう君」は「宮本武蔵」としての修業が始まるようです。  どんな修業生活になるのか先を読むのが楽しみです♪   

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このページは、KiKi (Brunnhilde)が2013年12月25日 09:34に書いたブログ記事です。

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