だれも知らない小さな国 佐藤さとる

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さて、「ランサム・サーガ」の続きに心惹かれながらも、図書館から借り出した本を返却期限までに読み終えなくちゃいけないので、そちらを優先することにしました。  てなわけで、本日の KiKi の読了本はこちらです。

だれも知らない小さな国
著:佐藤さとる 絵:村上勉  講談社青い鳥文庫

51cyyz85+UL._SL500_AA300_.jpg  (Amazon)

こぼしさまの話が伝わる小山は、ぼくのたいせつにしている、ひみつの場所だった。  ある夏の日、ぼくはとうとう見た ― 小川を流れていく赤い運動ぐつの中で、小指ほどしかない小さな人たちが、ぼくに向かって、かわいい手をふっているのを!  日本ではじめての本格的ファンタジーの傑作。  (文庫本裏表紙より転載)

KiKi は子供時代、あまり「日本モノ」を読まない子供でした。  実家にあった本が従姉妹からのお下がりの「少年少女のための世界文学全集」だったことがその1つの要因だったと思います。  もちろん絵本時代には「因幡の白ウサギ」とか「一寸法師」とか「桃太郎」とか「かぐや姫」といった物語に馴染んでいたわけですが、絵本から本に移行する年代には「日本モノ」よりは「西洋モノ」、それも「イギリスモノ」にはまっていってしまったんですよね~。  ま、てなわけで、この本はひょっとしたら学校の図書館で借りて読んだことがあったかもしれないけれど、まったく印象には残っていません。  

そんな KiKi がこの「コロボックル物語シリーズ」のことをちゃんと知った(それとして認識した)のは、実は30代ぐらいの頃でした。  いわゆる「大人の本」に物足りなさ・・・・のようなものを感じるようになり、「自分にあっている読み物は実は児童文学なんじゃないか?」と思い始めた頃です。  とは言っても久々の児童文学にどんな風に手を出していけばいいのかわからなくて、何かの本(児童文学の手引書のような本だったと思う)を参考に、今後の蔵書計画を立てようと考えていた際にこのシリーズもののことを知りました。

・・・・・とは言うものの、その蔵書計画の中で自分が軸とするのは「岩波少年文庫」と心を決めていた頃だったので、そこにラインナップされていないこの物語はどうしても後回し・・・・。  ま、そんなこんなで未だに KiKi の蔵書には含まれておらず、今回図書館から借り出したのが初読となります。


一読して思ったのは、「ああ、ここには懐かしい子供時代の日本の風景があるな」ということでした。  例えばつい先日まで読んでいた「ランサム・サーガ」にはやっぱりどこか日本では馴染みのないこじゃれた風景が多いけれど、この物語に出てくる小山はまさに KiKi の実家の裏にあった山を彷彿とさせます。  羊も牛もいない、いるのはやぶ蚊と蛇とミミズ。  雄大な草原もない。  どこか鬱蒼としていて、それでいてこじんまりとしていて、雑多な感じ・・・・・。  爽やかな風も吹くけれど何気に湿りっ気が多い感じ・・・・・。

そしてそこに登場するのが「フェアリー」ではなく「こぼしさま」といういかにも日本的な名前の小人たち・・・・・。  しかもこの「こぼしさま」、誰も彼もが「○○彦」とか「○○姫」という名前で、挙句自分たちの祖先は「スクナヒコサマ」なのだそうで・・・・・。  まさかこんな和製ファンタジーに古事記が出てくるとは!!(笑)

洋モノのファンタジーにはどちらかというと「憧れ」のような気分を感じることが多いけれど、この物語に感じるのは「懐かしさ」、「身近さ」、そして「馴染み深さ」というような気分です。  そうであるだけに子供時代にこの物語を読んでいたら身近な所、それも裏山あたりで「コロボックル探し」に夢中になったんじゃないだろうかと思わずにはいられません。    

でもそれはあの時代(高度成長期前)を田舎で暮らした KiKi だから感じる郷愁であって、イマドキの都会生まれ・都会育ちの子供たちにはここに描かれている風景はどんな風に感じられるのかしら??  そんなことを感じました。

日本が経済発展をし、効率という概念が最優先されるようになってしまってきているこの時代、あの小山で王国を築いていた「こぼしさま」たちは相変わらず同じ場所に住まっていらっしゃるのかしら??  もしも行き場がなくなりつつあるなら、Lothlórien_山小舎付近の山へどうぞとお誘いしたい気分です。  もっともそこにはどうやら熊も猪も鹿もハクビシンもいるみたいだから、こぼしさまにとって必ずしも住みやすい場所ではないかもしれないけれど・・・・・。

それにしてもこのファンタジー、素敵な物語ではあるけれど、どこかちょっと尻切れトンボな印象です。  シリーズ全作を読めばもっと気分的に落ち着くのかしら??  それを確認するためにも図書館から借り出してきたシリーズ第2作「豆つぶほどの小さないぬ」に読み進んでみたいと思います。



  

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このページは、KiKi (Brunnhilde)が2014年5月22日 13:33に書いたブログ記事です。

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