豆つぶほどの小さないぬ 佐藤さとる

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図書館から借り出してきた「コロボックル物語シリーズ」第2作です。

豆つぶほどの小さないぬ
著:佐藤さとる 絵:村上勉  講談社青い鳥文庫

51OzfafHeEL._SL500_AA300_.jpg  (Amazon)

ぼくはクリノヒコ。  身長3センチ2ミリ。  コロボックルの中では大きいほうだ。  ぼくたちの国で新聞を出す話をしているときに、大ニュース。  先祖が飼っていた豆つぶぐらいの小さないぬ"マメイヌ"が、今も生きているかもしれないという。  創刊号はこのスクープだ!  日本が誇る傑作ファンタジー。  (文庫本裏表紙より転載)

前作の Review で KiKi は「素敵な物語ではあるけれど、どこかちょっと尻切れトンボな印象」と書いたけど、この第2作を読んでみて、そんな風に感じた理由がわかったような気がします。  前作は私たちと同じ人間である「せいたかさん」と日本の風土に住み着いていたかもしれない妖精(? コロボックル)の出会いの物語で、コロボックルの世界を描いているようでいてやっぱりどこか人間目線のお話がメインだったんですよね。  それがこの第2作になってようやく「コロボックル目線」の物語が展開し始めています。  つまりこの作品になってようやくコロボックル達が生き生きと動き出した・・・・そんな印象なんですよね。 

これは物語の語り手の違い(前作では人間の「せいたかさん」の一人称で今作ではコロボックルの1人「クリノヒコ」の一人称)というのもあるけれど、それ以上に様々な場面・風景の描き方に違いが出てきています。  もちろんそれでも昔懐かしい日本の田舎の風景であることには変わりはありません。 

ちょっぴり残念なのはこのコロボックルたちが、実に人間臭いこと(苦笑)  どうせなら擬人化した小人ではなくどこか人間とは価値観とかものの考え方に大きな差がある生物であってくれた方が異文化交流の雰囲気が出てきてハチャメチャかもしれないけれどもっともっと楽しい物語になったんじゃないかと思わないでもありません。  

と言うのもね、この物語に登場する「マメイヌ」とコロボックルの関係がまさに人間とペット犬の関係に近すぎる気がするんですよね~。  せっかくこのコロボックル王国に新たな生き物として「マメイヌ」を出してきたならマメイヌにはイヌとは別の立ち位置があってもよかったんじゃないかなぁ・・・・・と。

コロボックル達が新聞を出すことにしたというお話にしても可愛らしさは溢れているんだけど、何だかコロボックル達が人間に近づこうとしている努力のお話というような感じがして、このままいくと夢の世界というよりは極小サイズの別の人間社会ができあがっちゃうだけのような気がします。  そんなことを考えるとどうせならコロボックルにはコロボックルの生き方、生活の仕方があって、せいたかさん(人間)の方がそれに感化されたり人間目線では無視してきた何かに気がついたりというようなお話を読みたかったような気がしないでもありません。

この直前に読んでいたのが「ランサム・サーガ」であの物語が上下2巻でひと夏の夏休みの数日間だけを描いた物語だったから尚更感じることなのかもしれないけれど、この物語は時間の流れがとても速いです。  第1作の冒頭では小学生だった男の子が第1作の最後にはコロボックル王国のある小山を買い取ることを真剣に考えるぐらいの年齢だったし、この第2作では結婚して子供がいます。

同様にコロボックル達の方も第1作で「世話役」だった人は引退し、クリノヒコたちに世代交代していて新たなキャラクターが続々と出てきています。  その誰もが魅力的ではあるんだけど、どうしても書き込みが少ない分、今作でメインに活躍するクリノヒコとその彼女となるだろうおチビ以外のキャラクターには十分に感情移入できないのがちょっと残念・・・・。

ところで・・・・・

人間世界の印刷工場から活字(それもルビ用の極小サイズのもの)をもらって発行することになったから仕方ないことだけど、彼らが発行した新聞(コロボックル通信)はコロボックルサイズからするとかなり大きいものでまさに「壁新聞」です。  こんな大きなものを毎日印刷するのは大変だろうし、配達だって大仕事になっちゃうだろうになぁ・・・・・。(物語によれば毎日30部ぐらい発行する予定らしい。) 

そんなコロボックルには大きすぎる新聞でも、もはや老眼の KiKi にとってはやっぱり小さすぎて、せっかく巻末に記念すべき第1号が掲載されているのに、虫眼鏡なしでは読めないのが何とも悔しい限りです。  ま、人間の読者、それも子供にちゃんと読んでもらいつつ、コロボックルにも読めるサイズとなるとこのサイズがギリギリの限界という感じなのかもしれません(苦笑)。

      

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