小さな国のつづきの話 佐藤さとる

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本来なら「トールキン祭り」開催真っ只中なので、「農夫ジャイルズの冒険」に行かなくちゃいけないところだったんだけど、たまたまちょっとしたきっかけでこちらを含む「コロボックルシリーズ全作」を入手しちゃったので、そちらを先に読了してしまうことにしました。  ま、てなわけで本日の KiKi の読了本はこちらです。

小さな国のつづきの話
著:佐藤さとる 絵:村上勉  講談社青い鳥文庫

147038-1.png  (Amazon)

図書館につとめる杉岡正子が、コロボックルの娘、ツクシンボとトモダチになった。  ツクシンボは、コロボックル通信社の優秀な通信員で、元気な「かわった子」。  正子も、ふしぎな雰囲気のある「ヘンな子」。  2人の登場でコロボックルと人間の世界は広がっていく。  多くの人に愛読される「コロボックル物語」の完結編!  (講談社HPより転載)

地元図書館には収蔵されておらず、読むことを諦めかけていたこの「小さな国のつづきの話」。  たまたま今回の上京の際にちょっとしたご縁があって「コロボックルシリーズ全作」を入手することができました。  このシリーズに関しては自分で購入するかどうか、その結論をちょっと保留にしてあったのでこのご縁に万々歳です。  

因みにこのシリーズの他作品の既読レビューはこちら(↓)です。

1. だれも知らない小さな国
2. 豆つぶほどの小さないぬ
3. 星からおちた小さな人
4. ふしぎな目をした男の子

つまりこの作品は第5作目、シリーズものとしては最終作と位置付けられているようです。  そしてこれ以外に別巻扱いで2冊、「コロボックル童話集」と「小さな人のむかしの話」があります。  で、そのちょっとしたご縁ではその別巻扱いを含めて全7作品をゲットすることができたので、ようやく全作品を読むことができるようになったっていうわけです。  いや~、めでたい!!!  譲ってくれたMさん、本当にありがとう!!

さて、この作品ですが、これまでの第1作~第4作とはちょっと風味の違う物語になっていました。  もちろんコロボックルは登場するんだけど、最初の何ページかはこの物語の主人公、ちょっと「ヘンな子」の杉岡正子さんのご紹介に費やされています。  それもその子が「いかにヘンな子」なのかが細かく描写され、「あれ?  これ、ホントにコロボックル物語??」と思わないでもありません。

さらに「まくあい」と題された不思議な章が間にさしこまれ、そこには作者が登場しちゃったりします。  で、恐らく作者が多くの読者から寄せられた質問に答えるようなお話が語られます。 

挙句、その主人公杉岡正子さんは図書館勤めの女性なんだけど、その彼女の勤める図書館にはちょうど KiKi が Review を既に書き終えている4作が置かれていて、杉岡正子さんはその図書館本により「コロボックル」を知るに至ります。  ・・・・・と、こう読んでくると、同じように図書館本で過去作を読んでいた KiKi にとって杉岡正子さんは、もはや他人とは思えなくなってきます(笑)。


で、ここから先はあたかも読者サービスかのように過去作の登場人物たちが成長した姿で登場します。  あの「星からおちた小さな人」で村上さんの美しい挿し絵とともに強烈な印象を KiKi に与えたおチャメさん然り。  同じ作品でおチャメさんと知り合った腕白坊主のおチャ公ことイサオ君然り。  要するにこれまでの作品でコロボックルの「トモダチ」だったり「味方」だった人たちが次々と出てくるんですよね~。

でも、杉岡正子さん個人にしてみれば、彼女がコロボックルと出会うのは初めてなわけです。  で、その時の反応は・・・・と言えば、これが原点回帰とでも言いましょうか、まるで「せいたかさん」がコロボックルに初めて出会った時を彷彿とさせるような、極めて自然な受け入れ方をするんですよ。

彼女が傍目にはかなりあっさりと、大きな動揺もなくコロボックルを受け入れた様を読んだとき、KiKi は思いました。  なるほど、このあっさり感を本当っぽく語るためには正子さんは「ヘンな子」でなければならなかったんだなぁ・・・・と。  要するに今の時代、現代人感覚が余りにも強い人ではコロボックルとこんなにスンナリと知り合い、トモダチになるのは難しいということです。

端的に言うなら「狐に化かされる」という話を「そんなことがあるわけない、迷信、迷信」と考えるようなタイプの人はなかなかコロボックルとお友達にはなれないのじゃないか・・・・・。  そんな風に感じました。

と、同時に正子さんはコロボックルたちに会う前に「だれも知らない小さな国」から「ふしぎな目をした男の子」までの4作を読んでいます。  つまり私たち読者と同じように「コロボックル・シリーズの物語」の世界にある種の感動を覚え、心の中のどこかで「私もコロボックルに会えるかしら??」と考えていた女性です。  そしてそんな彼女の所に「かわったコロボックル、ツクシンボ」が現れてくれます。  このエピソードには、コロボックルの存在を否定せず、ある種の謙虚さを兼ね備えた(≒ あるがままに受け入れる)人間のところにはコロボックルが現れてくれるかもしれないというある種の希望を抱かせます。

しかも、このシリーズではこれまではある1つの地域の小山にある「コロボックル王国」だけがこの小さな人たちの住処かだったのが、別の小さな人、チィサコ族(コロボックルと同サイズだけど、髪の色がスミレ色で忍者のように覆面をしているらしい)が登場し、別の場所で別の暮らし方をしていることが描かれています。  このことにより、「ひょっとしたら私の住む地域にもコロボックルでもチィサコ族でもない又別の種類の小さな人が住んでいるのかもしれない」という希望(?)をも抱かせます。  そうなってくると、KiKi の所に「小さな人」が姿を現す可能性だって否定できません。


でもなぁ・・・・・


子供時代、母から「あんたは夢見る夢子ちゃんだから・・・・」と言われていた時代の KiKi のまんまだったらその可能性はなきにしもあらずだったかもしれないけれど、その後 KiKi は成長の過程で「より合理的な、より理論的な」人間になれるよう自主的に自己改革を行って生きてきたという前科があるから、なかなかコボシ様のお眼鏡にはかなわない人間になっちゃっているのかもしれないけれど・・・・。

いずれにしろ、大人になってこの物語に出会った KiKi にとっては最終巻を飾るに相応しい内容だったなぁと感じました。  ただ、もしも子供時代にこの最終巻に出会っていたら、杉岡正子さんというキャラの性格上、この最終巻だけは「何だか面白くない」と感じたかも・・・・・しれません。  

  

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このページは、KiKi (Brunnhilde)が2014年7月14日 11:58に書いたブログ記事です。

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