2014年11月アーカイブ

プーと私 石井桃子

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リンドグレーン本はちょっと一段落。  まだまだ読了していない「岩波少年文庫」も山とあるのですが、本日の KiKi の読了本は久々の図書館本です。

プーと私
著:石井桃子  河出書房新社

Pooh&I.jpeg  (Amazon)

プーさん、ピーターラビット、ドリトル先生...あの名作の誕生秘話、「ちいさいおうち」のバートン、「マーティン・ピピン」のファージョンを訪ねる旅、欧米の児童文学と図書館を見て歩いた留学体験記など。  児童文学の世界に豊かな実りをもたらした作家・翻訳家の旅の随筆集。  (Amazon 内容紹介より転載)

石井桃子さんと言えば児童文学の世界で知らない人はいないと言っても決して過言ではない存在です。  そして KiKi のライフワークの1つ「岩波少年文庫」の生みの親のお1人でもいらっしゃいます。  そんな彼女のエッセイ集をたまたま図書館で見かけた(これ、ホントに見かけたんです。  決して探し当てたわけじゃありません)ので「これを借りないわけにはいかないでしょ♪」とばかりに一も二もなく借り出してきました。 

実は KiKi は物語の作者とか翻訳家に興味を持つようになったのはかなり大人になってからで、子供時代から大学生になるまでは物語そのもの以外にはさほど興味を持ったことがありませんでした。  そんな中、最初に興味を持った翻訳家数人(必ずしもそれが本業の方とは限らないのですが ^^;)の中のお1人が石井桃子さん、もうお1人が瀬田貞二さんでした。  もちろんその背景にはこのお二人が翻訳された物語への強い思い入れがあったからこそ・・・・ではあるのですが。

その後岩波少年文庫から発刊されている「なつかしい本の記憶」で石井さんが岩波少年文庫の発刊当初ご尽力されたお1人であったこと、さらには荻窪のご自宅の一室に児童図書室「かつら文庫」を開かれた等々の逸話を知るようになり、彼女への敬愛の念が深まっていったものでした。  その後も石井さんが日本で児童文学の普及やら子供の図書館を広めるためにご活躍された話を知れば知るほど、石井さんへの憧れが強くなっていきました。

もっとも現実社会を生きていくために KiKi 自身は彼女の後を追うような生き方は選択せず、単なる「児童文学ファン」としての道を選び、自身の生活の糧は別の方法で得てここまで生きてきたわけですが、心の中のどこかに未だ燻り続けるちょっとした夢のような形で「児童文学に何らかの貢献ができる人になりたい」という想いは抱き続けています。  まあ、恐らくこれは単なる「夢」で終わってしまうことになるのだろうと諦めている部分もあるので、実現するのはそれこそ「夢のまた夢」なのでしょうけれどね(苦笑)

 

「さすらいの孤児ラスムス」、「はるかな国の兄弟」、そして今日のエントリーの「ミオよ わたしのミオ」の3編は KiKi が昔読んだことがあるリンドグレーン本の3強でした。  たまたま NHK アニメの「山賊のむすめローニャ」の影響でこの時期に読み始めたリンドグレーン本。  現在発刊されている岩波少年文庫には子供時代には読んだことのない「エーミル」のシリーズや「わたしたちの島で」なんかもあるんだけど、それは又の機会にとっておいて、とりあえずはリンドグレーンシリーズは一旦終了したいと思っています。  本日の KiKi の読了本はこちらです。

ミオよ わたしのミオ
著:A.リンドグレーン 訳:大塚勇三  岩波少年文庫

Mio_Min_Mio.jpeg  (Amazon)

みなしごとしてつらい日々を送っていた少年ボッセは、ある夜、別世界「はるかな国」へ迷い込みます。  王子ミオとなり、白馬とともに残酷な騎士カトーと戦う少年の耳にひびいてきたのは、王である父の声でした。  心ゆさぶる美しい物語。  (文庫本裏表紙より転載)

子供時代にこの本と「はるかな国の兄弟」を読んだ順番は、今回とは逆でこちらの作品が先で「はるかな国~」が後でした。  こちらの「ミオよ わたしのミオ」はあからさまに死については語っておらず子供心に安心して読むことができたように記憶しているのですが、今回の読書では「はるかな国」という言葉そのものに「あの世」のイメージが強烈に染みついているということも手伝って、どうしてもそういうニュアンスから離れることができないまま読み進みました。

そのせいもあったのか、子供時代には「美しさ」として捉えていた一つ一つの描写が切なさや儚さを伴い、読んでいて胸が痛みました。  子供時代にもこの物語を辛い日々を送っていたみなしごボッセの現実逃避の物語として読んでいたようなところがあったのですが、今回はボッセがどれだけ愛情に飢えていたのか、現実世界の唯一の友達ベンカをどれだけ羨ましく思っていたのか、それらの孤独に苛まれた心が夢見ざるをえなかったのが残酷な騎士カトーとの戦いに赴く冒険の物語だったのだということが子供時代よりもはるかに切実に胸に迫ってきました。

どこかもや~っとした淡い光を思わせるものに包まれている美しい「はるかな国」の描写にはこれがある種の夢であることが暗示されています。  そして、あまりに優しい父王の姿やこの世界で得ることができた親友ユムユムや父王からプレゼントされた美しい白馬ミラミスにボッセが現実世界のウップランド通りに残してきてボッセが好きだった人々(馬も含む)の面影があります。

なぜ王様は大好きだったベンカのお父さんによく似ているけどもっと美しく、もっと優しいのか?  なぜ美しい白馬ミラミスは大好きだったビール工場の老馬と同じ目つきをしているのか?  なぜユムユムはベンカに似ているのか?  なぜ「はるかな国」にある家はどの家もおとぎ話に出てくるような家なのか?  壮絶なカトーとの対決に打ち勝ち、カトーに囚われて鳥に姿を変えられていた子供達が皆無事に戻ったのに、なぜ囚われた子供達のために啼いていたなげき鳥が啼きやまないのか?  それらの全てがボッセの孤独の深さを物語り、同時にボッセの絶望が生み出した幻影であることを感じさせます。


お風呂のリフォーム工事完了

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我がLothlórien_山小舎は木造建築です。  せっかく山の中に家を作るのだから新建材の家なんかではなく、やっぱり木造がいいだろうということで、建てた家なので外壁も内壁も全て木!  ついでにお風呂もヒノキ風呂と徹底的に木造建築に拘りました。  浴室内も水が撥ねる腰から下の部分こそタイル地にしたものの腰から上の壁もヒノキ材。  新築当初はその香りを堪能し、実に贅沢な気分に浸ったものでした。

ところが1年もすると「木のお風呂」の難点が少しずつ目につくようになりました。  まずその第一はお掃除のし辛さです。  そもそも木のお風呂は乾燥させすぎると水が漏るようになってしまうので、できるだけ水を入れたままにしておきたくなるのですが、そうすると少しずつ少しずつ黒ずんできます。  この黒ズミを何とかしようとお風呂洗剤をあれこれ試してみたのですが、全く効果がありません。  かといってカビキラーのようなあまりにも強力な洗剤は使いたくないわけで、お掃除の手段を見出すことができないまま月日は流れ、時の経過とともにどんどん黒ずんでいきました。

そして極め付けが一昨年暮れから始まった約半年に及ぶ同居介護により家を空けたことでした。  突然の連絡に取るものもとりあえず実家に向かい、そのまま同居介護を余儀なくされたため、お風呂は使いっ放し(要するに掃除もしていない)、冬場は凍結してしまうこの地のことを考えると水抜きだけは必要・・・・と水道管が破裂しないように最低限の対処だけをして家を空けたことが我がヒノキ風呂に想像だにしていなかったダメージを与えてくれちゃいました。

半年の同居介護を終え、じぃじ & ばぁばに老人ホームに入ってもらって、やっとLothlórien_山小舎に戻ったダーリン & KiKi を待っていたのはお湯がどこからか駄々漏れするお風呂でした。  それでも最初のうちはその量もチョロチョロという感じだったし、このお風呂を使い始めた頃も最初のうちは水漏れがあったということもあって、2人揃って事態を甘く見ていました。

半年もの間、このお風呂は乾燥させっぱなしだったわけであちこちの継ぎ目に隙間ができてそこから漏れているに違いない。  暫く水を張っておいて木材が膨張すれば駄々漏れは治まるはず・・・・・

とね。  ところが数日で治まる見込みだった駄々漏れは日に日に激しくなり、ついにはお風呂に入っている間にみるみる湯量が減っていき、常にお風呂の周りでチャプチャプと水音がするようになっていきました。  場所がお風呂なだけにその音は必要以上に大きく響き、落ち着いて入浴な~んていう気分には到底なれない様相を呈するようになっていきました。  

それでもせっかく作ったヒノキの浴室です。  根がケチンボなダーリン & KiKi はなかなかお風呂をリフォームする決心がつきませんでした。  でもよくよく考えてみたらこの地の冬は寒いんです。  その寒い中、せっかく暖まるためにお風呂に入っても気分が寒々としているのでは精神衛生状よろしくありません。  ま、てなわけでようやく重い腰を上げてリフォーム工事をする決心をし、この11日からお風呂のリフォーム工事が始まりました。


山小舎の冬支度、あれこれ

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昨日は読書のエントリーを書いたので、この「山小舎の冬支度」のお話は1日遅れで今日になってしまいました。  ここ何日か山小舎付近はお天気に恵まれなかったのですが、昨日は久々の快晴でした。  ま、てなわけで、昨日は久々に「晴れたらやろう!」と思っていた作業に着手しました。

その第一弾はこちら(↓)です。

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こちら、言わずと知れた干し柿です。  この作業は2年ぶり。  前回は岐阜県に住むダーリンのお姉さんが自宅で採れた渋柿を送ってくださり、KiKi 人生の初チャレンジで干し柿を吊るす作業を楽しんだものでした。  で、本来ならこの柿に焼酎を霧吹きしたりする後工程が必要なんですけど、それらの作業をちゃんとする前にばぁばの骨折連絡が入り、そのまま沼津の実家での介護生活に突入してしまったので、ろくに面倒も見ないまま放置しちゃったんですよね~。

で、昨年の夏にじぃじ & ばぁばには老人ホームに入ってもらってようやくLothlórien_山小舎に帰宅した際、みてくれだけは立派な干し柿になっていたその放置柿を食べてみたらこれがすこぶる美味しかったの!!  何もしなくてもあの美味しさだったとするなら、するべきことをしたらどんなに美味しくなるだろうという期待を込めて今年も作ってみました。  (昨年は年末にじぃじが狭心症の発作で入院したので作ることができませんでした。)

でも、これを吊るした直後に気がついちゃったこと。  それは来年は1月の半ばからしばらくの間Lothlórien_山小舎を留守にして沼津の実家のメンテナンス(どちらかというと「大掃除 & ゴミ捨て」と言った方がいいかもしれない)をする予定にしていたんだっけ・・・・・。  ってことは今回もこの干し柿は放置柿になる可能性がかなり高いってこと???  う~ん、それを忘れていたなぁ。

   

先日のエントリーで「さすらいの孤児ラスムス」について、KiKi はリンドグレーン作品の中で1番と書いたけれど、実は今日のこの1冊と次に読む予定の「ミオよ わたしのミオ」の3冊は正直なところ甲乙つけがたい作品なんですよね~。  で、子供時代には「ラスムス」の方が安心して読み進められる分好きなような気がしていたけれど、今回この「はるかな国の兄弟」を再読してみて、大人になった KiKi にとってはこちらの方がより印象深い作品になったような気がしています。  ま、なにはさておき、本日の KiKi の読了本はこちらです。

はるかな国の兄弟
著:A.リンドグレーン 訳:大塚勇三  岩波少年文庫

Lion_Heart.jpeg  (Amazon)

やさしくて強い兄ヨナタンと、ひたすら兄をしたうカール。  はるかな国ナンギヤラにやってきた二人は、怪物カトラをあやつり村人を苦しめている黒の騎士テンギルに立ち向かっていった。  勇敢な兄弟の姿を、叙事詩風に描いた作品。  (文庫本裏表紙より転載)

子供時代にもかなり印象的だったにも関わらず、それでもやっぱり「ラスムス」の方により親近感を抱くことができた理由、それはこちらの物語はトールキン的に言うなら「往きて還らぬ物語」だったからだと思うんですよ。  子供時代に何らかのきっかけで「もしも死んじゃったらどうなるの?」という疑問を持つことは誰しも経験したことだと思うけれど、「死」というのものがさほど現実味を帯びたものではない(そして現実味を帯びるべきでもない)ことであるのは間違いのないことだと思うんです。

特に健康で、のびのびと育っている子供であればそれは尚更のことで、体の不自由な人や病弱な人に対する労わりの気持ちぐらいまでは育てていくべき「人間性」の範疇に入るとは思うけれど、そこから更に進んで「死」となると何歳ぐらいでどんな感覚でその真理を受け入れるべきなのか・・・・という問題になるとなかなか難しいものがあると思うんですよね。

実際問題、子供時代の KiKi がこの物語を読んだときには「死」とか「死後の世界」を描いた物語という認識はごくごくわずかながら持ってはいたものの、どちらかというと「はるかな国ナンギヤラ」における冒険活劇的な読み方をしていたように思います。  それは言ってみれば実に健康的な読書の仕方であり、そのバックには健康体というゆるぎないものがあったればこそだったのではないか?  今回の読書ではそんなことを感じました。

物語の主人公兄弟の弟カール(兄からはクッキーと呼ばれている)は病弱で、足も不自由で、台所の片隅に置かれたベッドから1人で出ることもできず、更にはもうすぐ自分が死ぬことを知っているという男の子です。  兄のヨナタンは、強く、賢く、優しいうえに美しいという非の打ちどころのない男の子です。  このできすぎの感のある兄と弱者も弱者、ここまで弱い人も滅多にいないだろうと思われる弟の関係がこれまた絵に描いたような美しさなんですよね。

いわゆる母子家庭という家族環境の中、兄のヨナタンはクッキーのことをとても大切に思っていて、そんなできすぎのお兄ちゃんを前にクッキーの方も決して卑屈になることはなく、切ないほどに甘えっ放し・・・・。  子供時代の KiKi は自分が健康体だったが故に、クッキーのあまりの自立度の低さを理解できるほどには成熟していませんでした。  でも、大人になった今ならば、それを容認するとまでは言わないものの、卑屈にならないだけでも凄い!と感じると共に、子供時代に KiKi が感じていたよりも実は芯の強い男の子なのかもしれないとさえ思いました。

さて、そんなヨナタンにある日クッキーは死ぬのが怖いと訴えます。  すると

「ねえ、クッキー、ぼく、それはそんなに恐ろしいことと思わないよ。  素敵なことだと思うな。  だって、君の肉体はの抜け殻は土の下に寝ていても、君自身は、野営の焚火とお話の時代のナンギヤラへ飛んでいくだけなんだ。  そして、あそこに行けば、朝から夕方まで、それに夜中までも、冒険が続くんだよ。  ここで横になって、病気で、せきをして、ちっとも遊べないのとは、だいぶ違うことになるんだよ。」

子供時代の KiKi はこのヨナタンの言葉をどちらかというと「子供騙しの口から出まかせ」と感じていました。  確かに健康体の KiKi にとってはこれは出鱈目以外の何者でもありませんでした。  でも、今回つくづく感じたのは「横になって、病気で、せきをして、ちっとも遊べない子供」にとっては、病気じゃなくて、咳も出なくて、遊べるという健康体なら当たり前のことこそが最大の望みだろうし、死後の世界でならそれが叶うというのであれば、日々死を恐れて苛まれ続けるのではなく、それを受け入れるパワーの源ともなりうるのかもしれない・・・・と。

2人の母親も兄弟も、街の人たちも、誰もがクッキーの命の灯は間もなく消えると思っていたその矢先、事件が起きました。  ある日、火災がおこり、ヨナタンは1人では動けないクッキーを背負ってアパートの窓から飛び降り、自分の方が先に死んでしまいます。  ヨナタンの最後の言葉は

「泣くなよ、クッキー、ナンギヤラで、また会おう」

というものでした。  その後、クッキーも亡くなるのですが、まったく同じ言葉を子供二人を相次いで失うお母さんに残すのです。  その後、この可哀想なお母さんに関しては物語にまったく登場しません。  そこがある意味でリンドグレーンらしさの極致のような気がします。  彼女は恐らくこの物語を書く際に、大人のことはどうでもよかったんだと思うんです。  彼女の視界にあったのは「死と向かい合わざるをえない子供」だけで、そんな子供達に物語を語ることの意義をずっと自身に問い続けていたその答えだったのではないか?  そんな気がするんですよね。


今日もリンドグレーン作品です。  ある意味ではこれまでに読んだリンドグレーン作品の中で KiKi の一番のお気に入り作品かもしれません。

さすらいの孤児ラスムス
著:A.リンドグレーン 訳:尾崎義  岩波少年文庫

Rasmus.jpeg  (Amazon)

孤児院をぬけだした少年ラスムスは、アコーディオンをかなでる陽気な風来坊オスカルに出会い、いっしょに旅をします。  ところが、ラスムスがピストル強盗事件の現場を見てしまったことから、ふたりは犯人に命をねらわれてしまいます。  (文庫本裏表紙より転載)

KiKi の子供時代、いわゆる「孤児」の物語はそれこそ掃いて捨てるほどありました。  そんな中には最初から孤児の子もいれば、ある時期までは保護者がいたのに、何らかの事情で孤児になってしまった子のお話もありました。  そしてそういう物語を読むたびに

両親がいて、その保護下にあって、贅沢ではなくても飢えることはなくて、理不尽な暴力にさらされることもなければ、寒さに震えることもない

という自分の境遇に幸せを感じ、KiKi にとってはどうでもいいと思われるような細かいことにやたらと口うるさい母親も、色々説教する割には自分も似たようなことをしている勝手な父親に対して日頃感じていた不満の欠片を反省し、「まあ許してあげよう」なんぞと偉そうに思った(← まあその程度の反省だったわけですが ^^;)ものでした。

そんな数多くの物語の中でこの作品がちょっと他作品と異なっていると子供心に感じたのは、物語の主人公、ラスムスが孤児院にいる時代に感じていた様々な出来事に対する感想の部分の記述でした。  特に印象的だったのが、孤児院の子供をもらいにきた子供のいない夫婦(特にその奥さん)と初めて面会する際の孤児たちの気持ちの描写でした。

小さくて巻き毛で綺麗な女の子はもらわれやすい
(≒ 針毛でいつもどこかしら薄汚れている男の子である自分を貰ってくれる人は滅多にいない)

そんなラスムスの諦めの気持ちとそれでもひょっとしたらという期待の気持ちが何とも言えない寂しさ・うら悲しさを感じさせ、子供ながらに文字通り胸が痛かった記憶があります。  そしてその胸の痛みがあればこそ、ラスムスが孤児院を飛び出すに至る「自分の力で僕の親になってくれそうな大人を探すんだ!」という気持ちにストレートに寄り添うことができたものでした。

とは言え、やっぱり齢わずか9歳の男の子の1人旅。  特に最初の一晩は危なっかしいことこのうえない。  何だかこのまま不幸への街道まっしぐら・・・・・となるかと思えば、最初に出会った大人が「善良な優しい人」だったことにより、ほっとさせられます。  でもまあ、定職についている風でもない、逆立ちしても裕福のゆの字も転げ落ちて来なさそうな風来坊なんですけどね。

イマドキの子供であれば仮にどんなに人のよさそうな顔のおじさんでも、相手がパリッとしたスーツを着ておらず、いかにも風来坊、アコーディオン片手に流しのようなことをしている人物についていこうな~んていうことは滅多に思わないだろうことを考えると、そこにある種の「時代」と共にラスムスが置かれていた環境に対する気持ちの切実さを感じます。

さて、そんな風来坊ですが、KiKi たち世代の「週刊マーガレット」愛読者にとっては憧れの存在だった、フランス革命の時代を駆け抜けた男装の麗人と同名でオスカルとおっしゃいます。  KiKi にとってこのオスカルという名前は最初はこの物語のオスカル以外の何者でもなかったのですが、その後の成長過程であっちのオスカル様と出会い、今回この物語を再読してみるまでこっちの風来坊がオスカルであることはすっかり忘れていました。  もちろん「ラスムスが家出2日目に出会う実にいい人!」という記憶はしっかり残っていたんですけどねぇ・・・・・。 


NHK アニメに触発されて「山賊のむすめローニャ」を読んで以来、岩波少年文庫に収録されているリンドグレーン作品を読み進めています。  あまりに懐かしく、又楽しかったのでついついスピードアップ。  本日の KiKi の読了本はこちらの2冊です。

カッレくんの冒険
著:A.リンドグレーン 訳:尾崎義  岩波少年文庫

Blomkvist_2.jpeg  (Amazon)

難事件を解決して、一躍名探偵の名声を博したカッレくんは、平穏な夏休みをもてあましていた。  ある日、遊び仲間のエーヴァ・ロッタが高利貸し殺人の犯人を見かけたことから、ふたたび大事件にまきこまれ、捜査にのりだす。  (文庫本裏表紙より転載)

名探偵カッレとスパイ団
著:A.リンドグレーン 訳:尾崎義  岩波少年文庫

Blomkvist_3.jpeg  (Amazon)

バラ戦争を続行中の白バラ軍は、有名な工学博士を父にもつ5歳の少年、ラスムスの誘かい事件にまきこまれる。  スパイ団のアジトの島へ連れさられたラスムスやエーヴァ・ロッタを救うため、カッレくんがまたまた大活躍!  (文庫本裏表紙より転載)

このシリーズ、カッレ君が活躍する事件の方はどんどんエスカレートしていくんですよね~。  もちろん犯罪は犯罪であって、青島刑事(← かなり古い?)じゃないけれど、「事件に大きい小さいはない!」んだけど最初の「名探偵カッレくん」の事件はせいぜいがコソ泥だったのが、第2作「カッレくんの冒険」では殺人事件だし、第3作「名探偵カッレとスパイ団」では産業スパイときています。

そしてつくづく感じるのは、カッレ君の名探偵ぶりもさることながら、エーヴァ・ロッダの「事件まきこまれ体質」とでも呼びたいような事件を引き寄せるパワーみたいなもの。  もちろん彼女の責任ではないんだけど常にトラブルの中心にはエーヴァ・ロッダがいます。  第1作では犯人がエーヴァ・ロッダのおじさんだったし、第2作では殺人事件直後の犯人の唯一の目撃者が彼女でした。  そして第3作では彼女がたまたま母性本能をくすぐられちゃった相手が産業スパイ一味の人質になる・・・・と。  

しかもその拉致現場をたまたま見たのみならず、一緒にさらわれる道をエーヴァ・ロッダが自ら選ぶわけで、まさに「事件を呼び込む女」そのものです(苦笑)  でも、そうやって考えてみるとこの一連の物語、実は時代を変えた「騎士道物語」と呼んでもいいのかもしれません。


昨晩、フィギュアスケートのグランプリシリーズ中国大会のTV放映を観ました。  もちろんお目当てはメダリスト・羽生君 & 同じくメダリストのリプニツカヤ(佳菜子ちゃん、ゴメンね)。  日本期待の羽生君は2位発進で、アメリカ大会・カナダ大会での日本男子健闘の中ちょっぴり残念な結果(でもまだフリーがあるさ!!)になっちゃいました。  対するリプニツカヤは期待通りの安定感でアメリカ・カナダ大会の結果も含め女子フィギュア・ロシア黄金時代を否応なく確信させられる演技でした。

さて、そんな中、KiKi が1人勝手に喜んじゃったことがありました。  それは羽生君のショートの曲がショパンのバラード第1番だったこと!!  ショパンのバラード第1番と言えば、今現在、KiKi が完成に向けて日々練習している曲の1曲ではありませんか!! 

もっとも最初にそのアナウンスを聞いた時はちょっと複雑でした。  と言うのも、KiKi がこの曲に取り組み始めたのはソチ五輪よりも前のこと。  彼は KiKi がバラードの譜読みで四苦八苦している間にあの「パリの散歩道」で歴代最高得点をはじき出し、オリンピックでもグランプリ・ファイナルでも金メダルを取り、その後もメダリストの宿命であちこちのメディアに引っ張り回されながらも新しいプログラムに取り組み、人前で披露できるまでに仕上げているのに、KiKi の方はまだまだ人前で披露できると自分が納得できるレベルには達していないからです。

もちろん練習時間に大きな差があるし(あちらは恐らく毎日、1日5~6時間??  対する KiKi はシューマンの「クライスレリアーナ」と合わせて1日2時間ぐらい??)、あちらはそれがお仕事、こちらは家事やら介護やら何やらの合間のあくまでも趣味なわけですから、差ができちゃうのはある意味当然なんだけど、根っこが負けず嫌いの KiKi のこと。  目の前で差を見せつけられちゃうのはあんまり面白いことではありません(苦笑)

もちろんだからと言って「失敗しろ!」と念じていたわけではなくて、ただ単にここで彼が完璧な演技をしてあまりにも歴然とした差を見せつけられちゃうと今日以降のバラードの練習のモチベーションがどうなっちゃうんだろう??とふと思っちゃったという程度のことではあるんですけどね。

さて、そんな中、演技が始まり、前半の安定感が嘘のように後半で乱れを見せちゃった羽生君。  途中からは祈るような気分で彼の演技を見つめていて、音楽はほとんど意識の外に飛んで行ってしまいました。  そして演技終了。  彼としては不満やるかたない2位発進となってしまいました。

先日、NHKアニメの影響で「山賊のむすめローニャ」を読了しました。  その Review でも書いたことだけど、KiKi にとって「山賊のむすめローニャ」は「アニメ化された以上先に原作を!」というモチベーションなくしてはこのタイミングで手に取る作品ではありませんでした。  そう、リンドグレーンだったらすでに読了しこのブログでも取り上げた「ピッピ」、「やかまし村」が当然先だし、この「カッレくん」のシリーズも「ローニャ」よりは先でなくてはならなかった作品だったはずなのです。  ま、てなわけで、本日の KiKi の読了本はこちらです。

名探偵カッレくん
著:A.リンドグレーン 訳:尾崎義  岩波少年文庫

Blomkvist_1.jpeg  (Amazon)

名探偵を夢見るカッレくんは、ある日エイナルおじさんの怪しい行動に第六感を働かせ、捜査を始めます。  宝石窃盗団に迫ったカッレくんは、仲良しのアンデス、エーヴァ・ロッタとともにお城の地下室に閉じこめられてしまいますが...。  (文庫本裏表紙より転載)

子供時代の KiKi がこの本を手に取ったきっかけは「シャーロック・ホームズ」でした。  「ホームズ」により探偵という存在に興味を持ち、その後江戸川乱歩の明智小五郎シリーズにはまり(金田一少年はカッレ君よりも後だった)、近くの神社の縁日で買ってもらった子供用の虫眼鏡で探偵ごっこに精を出していた頃、この作品を読んで子供ながらにものすごい探偵ぶりを示すカッレ君にも憧れを抱いたものでした。  もっとも KiKi の場合は観察力とか集中力に欠けるものがあったし、手近なところに怪しい行動をする大人もいなかったので、探偵業はまったく板につかなかったんですけどね(苦笑)

そしてこの「カッレ君」に出会い、探偵業よりも今度は「バラ戦争」に触発され、世界史上の本物の「バラ戦争」の何たるかを知らないまま、さらには KiKi が所属した「白バラ軍」の戦士達が「カッレ君」の物語を知らないまま、まるごと物語の真似をしたような遊びに興じた時期があったことも楽しかった思い出の1つです。

子供時代には軽業的な体操競技(鉄棒とかでんぐり返しとか)が極めて苦手だった KiKi なので、さすがに「命知らずのサーカス団」を結成したことはなかったけれど、この物語で描かれる子供達の遊びの世界は当時の KiKi にとってはまさに遊びのバイブルで、お転婆な自分をエーヴァ・ロッタに見立て1人悦に入っていたようなところもなかったとは言えません。  もっとも晩熟の日本人のことですからそこに子供っぽい恋愛感情のようなものが生まれる余地は全くなく(鈍感だっただけかもしれないけれど)、とにかく駆け回り大声を出し、ワイワイやる楽しさに没頭していた時代だったように記憶しています。

鹿の王 上橋菜穂子

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Kindle を購入して良かった!としみじみ感じた1冊(電子書籍でも1冊とカウントするんだろうか? ^^;)を読了しました。  お値段は安いうえに文庫本を待つ必要もなくこのタイミングでこの物語を読むことができたなんて!!  本日の KiKi の読了本はこちらです。

鹿の王
著:上橋菜穂子 角川書店 Kindle 版

51-LzXf3HXL._AA278_PIkin4,BottomRight,-44,22_AA300_SH20_OU09_.jpg  (Amazon)

強大な帝国から故郷を守るため、死兵となった戦士団<独角>。  その頭であったヴァンは、岩塩鉱に囚われていた。  ある夜、犬たちが岩塩鉱を襲い、謎の病が発生する。  その隙に逃げ出したヴァンは幼い少女を拾うが!?
※本電子書籍は「鹿の王 上 ‐‐生き残った者‐‐」「鹿の王 下 ‐‐還って行く者‐‐」を1冊にまとめた合本版です。巻末に電子版オリジナルイラストが収録されています。  (Amazon Kindle 上下合本版 内容紹介より転載)

強大な帝国・東乎瑠にのまれていく故郷を守るため、絶望的な戦いを繰り広げた戦士団「独角」。  その頭であったヴァンは奴隷に落とされ、岩塩鉱に囚われていた。  ある夜、一群れの不思議な犬たちが岩塩鉱を襲い、謎の病が発生する。  その隙に逃げ出したヴァンは幼子を拾い、ユナと名付け、育てるが―!?  厳しい世界の中で未曾有の危機に立ち向かう、父と子の物語が、いまはじまる―。  (Amazon 単行本上巻の内容紹介より転載)

不思議な犬たちと出会ってから、その身に異変が起きていたヴァン。  何者かに攫われたユナを追うヴァンは、謎の病の背後にいた思いがけない存在と向き合うことになる。  同じ頃、移住民だけが罹ると噂される病が広がる王幡領では、医術師ホッサルが懸命に、その治療法を探していた。  ヴァンとホッサル。  ふたりの男たちが、愛する人々を守るため、この地に生きる人々を救うために選んだ道は―!?  (Amazon 単行本下巻の内容紹介より転載)

久々の上橋ワールドは期待に違わず今作でも、奴隷の話あり、植民地支配がもたらすあれこれの問題あり、人種差別の問題もあり、医学もあり、異なる宗教観もあり、生態系の問題までもを含む、多すぎるぐらいの要素がぶちこまれたごたまぜ物語でありながらも、それが逆にリアリティを感じさせるという素晴らしい物語世界を披露してくれました。  先月は体調不良もあって読書が進まなかったという面もあったけれど、実はこの作品を「2度読み」してじっくりと味わっていたため冊数が進まなかったという面もあったことをまずは告白しておきたいと思います。

Review の冒頭でいきなり「著者あとがき」に触れるのもなんだけど、そのあとがき冒頭で上橋さんが仰る

自分の身体ほど、わからないものはない・・・・・。
  ここ数年、老父母と、更年期に達した自分の身体の不調にふりまわされているのですが、50の坂を越えれば、若い頃と違って、「下り坂をくだる速度を抑える」ことはできても、「ぐんぐんと上り坂に向かう」ことはないという、人の身体の容赦ない真実を感じる度に、いま、自分の身体の中でどんなことが起きているのだろうと、思うようになりました。

というのはまさに KiKi の皮膚感覚です。 (何せ上橋さんとは同世代 ← それが嬉しくもあり彼女との差に落ち込むこともあり 苦笑)  祖母が認知症だったので自分が同じ道を辿らないようにと彼女なりの努力をしていたにも関わらず結局同じ病に罹患し、今では KiKi が自分の娘であることさえ忘れてしまったばぁば。  ばぁばよりも遥かに年長でありながら未だに頭だけはしっかりしているじぃじ。  認知症に罹患したといえどもそれを除けば健康そのもので今ではほんの1年前に大腿骨を骨折したことを全く感じさせないばぁば。  頭だけはしっかりしているのに、狭心症を患い足元が覚束なくなっているじぃじ。  

認知症が加齢とともに発生する病でありながらも罹患する者としない者を両親に持つ KiKi が日々感じている 「なぜ、ばぁばだけが・・・・?(世の中には数多くいるとは言えども)」という想いは、この物語の主人公であるヴァンや物語世界で猛威をふるう黒狼病に耐性のない人々が共通して抱える大きな疑問であるだけに身につまされます。  

と同時に、今、現実社会では猛威をふるいはじめた「エボラ出血熱」のニュース報道が流されない日はなく、そのニュースで印象が薄れつつあるシリアでの「生物兵器使用疑惑」な~んていう話もこの物語で描かれる様々な出来事と何気にリンクして思い起こされ、ついつい現実世界を引き寄せながら「読まされてしまう」物語だったと感じます。

そして、病の発生ではその治療の妨げの1つとなるものに「異文化の壁」があるというのも現実世界を映しだしていると感じます。  今回のエボラ熱の発生中心地である西アフリカでは先進国の医療支援チームが現地に入ったばかりの頃には、「あの西洋人の医者の所に行くと殺されてしまう」というような噂が現地の人の間に広がり治療の妨げになったと聞きますし、彼らの埋葬文化が拡大の一因とも考えられるらしいのですが、それを一概に否定することができないのが予防の妨げになっているとか、とか、とか・・・・。  

この物語では「黒狼病」が征服民である東乎瑠〈ツォル〉の民のみ耐性がないということで、その東乎瑠〈ツォル〉の属領とならざるをえなかったアカファ王国の「呪い」であると噂され、それがさまざまな憶測や陰謀の火種となっていくうえに、宗教観の違いにより治療がままならない様子も描かれています。  そしてその背景には東乎瑠〈ツォル〉帝国から送り込まれた入植者たちによって伝統文化を踏みにじられた民族の存在があり、その入植者が持ち込んだ農産物や家畜により生態系が崩れていく様までが描かれています。  いやはや、こうなってくるとこれはもう「夢物語ファンタジー」というよりは、まさに「現実にあった(もしくはありうる)物語」と呼んでもおかしくないぐらいのものではないかしら・・・と思わずにはいられません。

体調不調からの復帰エントリーの1本目は、NHKアニメの影響というのもあるけれど、やっぱりこのブログの柱である「岩波少年文庫全冊読破企画」への拘りというのもあってこちらの作品を選びました。  本日の KiKi の読了本はこちらです。  (大好きな上橋ワールド、「鹿の王」の Review は後日、もう少し体調の良い日にじっくりと取り組む予定です。)

山賊のむすめローニャ
著:A.リンドグレーン 訳:大塚勇三  岩波少年文庫

Ronja.jpeg  (Amazon)

落雷でまっぷたつになった古城に、2組の山賊が住んでいました。  片方の首領にはひとり娘のローニャが、もう一方にはひとり息子のビルクがいました。  仲よくなった2人は、争ってばかりいる親たちを仲直りさせようとしますが...。  (文庫本裏表紙より転載)

リンドグレーン作品は大好きだったけれど、実はこの物語に関しては KiKi は初読です。  何となく「山賊のむすめ」という設定に子供時代の KiKi には興味が沸かなかったのです。  だいたいにおいて山賊だの海賊だのというのは子供時代の KiKi にしてみれば悪役の筆頭で、当時の勧善懲悪が当たり前というある種のガチガチの倫理観に照らしてみれば、そんな稼業のヒロインにはろくな結末を思い描くことができないし、これが息子ならいざ知らず娘となると同性の KiKi にとってはあんまり有り難くなさそうな臭いがぷんぷん漂っているような気がしたのです。

ま、てなわけでこのブログで「岩波少年文庫全冊読破企画」をぶちあげた際にも、この作品はリストにこそ載せたものの実際に手に取って読んでみるのはず~っと後になるだろうなぁと思っていました。少なくとも「カッレくん」や「はるかな国の兄弟」や「さすらいの孤児ラスムス」よりは絶対後になると確信していました。  そして実際のところ今日まで手を出さずに来ています。  それが今このタイミングで他にも未読本がいっぱいあるのにこの作品に手を出したのはもちろん宮崎吾朗さんのNHKアニメ「山賊のむすめローニャ」放映がきっかけであることは否めません。  

第1回の放送から先週土曜日の第5話までアニメを先行して観終えた後、「これは先に原作を読んでおきたい!」と思わせてくれるものがあったのでついに手に取った・・・・そんな感じです。  そしてそのきっかけになったのはこの物語でもアニメでも出てきたローニャとビルク、2人の実に子供らしい発言がきっかけでした。  その1つ目は一仕事して強奪品を持ち帰ってきた山賊たちにローニャがかける一言

「今日もいっぱいなっていたのね。」

というセリフです。  どうやらローニャは果実が木に実るように強奪品はどこかに実っているものだと思っているらしい・・・・(苦笑)  なるほど山賊稼業の何たるかを知らず、自然の中でのびのびと育てば一味が一仕事して持ち帰るものは言ってみれば山仕事をして山の恵みを手にして帰ってきたと思うのが自然と言えば自然なわけです。  そんな彼女が本当のことを知ったらどう考えるのだろうかということに俄然興味が湧いてきました。

そして2つ目のきっかけは今度はビルクのセリフで、自分たちの住む城をとりまく森を「私の森」、そこに住まう動物たちを「私のキツネ」と呼ぶローニャに

「きみの子ギツネだって!  きみの森!  子ギツネたちは自分自身のものさ、わかるかい?  それに、あの子らがすんているのは、キツネたちの森だ。  その森はまた、オオカミたちのだし、そしてクマたちの、オオシカたちの、野馬たちの森だ。  (中略)  おまけに、これはぼくの森だ!  そして、きみの森さ、山賊むすめ、そう、きみの森でもある!  だけど、きみがこの森を自分ひとりのものにしときたがるんなら、きみは、ぼくがはじめてきみを見た時におもったより、ずっとばかだってことだよ。」

この2つを耳にした時、彼らがこの後成長していく過程でいわゆる「山賊稼業」とどう折り合いをつけていくのか?にとても興味を持ちました。  と同時に「○○は誰のモノ」といういわゆる所有権に対する考え方の相違がある意味で「山賊」とか「海賊」という稼業を成り立たせてもいるわけで、これは昔 KiKi が安直なイメージで「山賊のむすめローニャ」というタイトルから想起していたものとは異なる展開が期待できそうな気がしてきたのです。


ダーリンの手術、じぃじ & ばぁばのトラブルと何かとバタバタした後、今度は KiKi 自身が体調不調に陥り9月半ばから10月の1ヶ月はホント散々な1ヶ月でした。  今も本調子には戻っていないのですが、ようやく少しずつ復調しつつあるので、取り急ぎ10月の読書のまとめだけはしておこうと思います。  10月はたったの3冊!  しかもそのうちの1冊は読書と呼べるような内容の本なのかどうか・・・・(苦笑)  久々の上橋ワールドだった「鹿の王」は後日 Review をアップする予定ですが、それ以外(特にFFX-2.5)は多分このまま放置することになるだろうと思います。 

 

2014年10月の読書メーター
読んだ本の数:3冊
読んだページ数:1207ページ
ナイス数:33ナイス


鹿の王(上下合本版) (角川書店単行本)鹿の王(上下合本版) (角川書店単行本)感想
久々の上橋ワールド!!  やっぱり上橋ワールドは他の追随を許さないなぁと感銘を受けました。  病に罹るものと罹らないもの、しかとは目に見えない生命について、自分の外にあるものは観たり感じたり認識したりできるのに自分のうちにあるものはよくわからないという不思議さ、そして生態系について・・・・。  そこに征服民と被征服民という人間社会ならではの力学を絡めるあたり、実に深くて練り上げられた物語世界だと感じ入りました。  詳細の感想はブログにて。
読了日:10月28日 著者:上橋菜穂子

小説 FINAL FANTASY X-2.5 ~永遠の代償~ (ノベルズ)小説 FINAL FANTASY X-2.5 ~永遠の代償~ (ノベルズ)
読了日:10月15日 著者:野島一成

韓国人の歴史観 (文春新書)韓国人の歴史観 (文春新書)
読了日:10月9日 著者:黒田勝弘

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