プーと私 石井桃子

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リンドグレーン本はちょっと一段落。  まだまだ読了していない「岩波少年文庫」も山とあるのですが、本日の KiKi の読了本は久々の図書館本です。

プーと私
著:石井桃子  河出書房新社

Pooh&I.jpeg  (Amazon)

プーさん、ピーターラビット、ドリトル先生...あの名作の誕生秘話、「ちいさいおうち」のバートン、「マーティン・ピピン」のファージョンを訪ねる旅、欧米の児童文学と図書館を見て歩いた留学体験記など。  児童文学の世界に豊かな実りをもたらした作家・翻訳家の旅の随筆集。  (Amazon 内容紹介より転載)

石井桃子さんと言えば児童文学の世界で知らない人はいないと言っても決して過言ではない存在です。  そして KiKi のライフワークの1つ「岩波少年文庫」の生みの親のお1人でもいらっしゃいます。  そんな彼女のエッセイ集をたまたま図書館で見かけた(これ、ホントに見かけたんです。  決して探し当てたわけじゃありません)ので「これを借りないわけにはいかないでしょ♪」とばかりに一も二もなく借り出してきました。 

実は KiKi は物語の作者とか翻訳家に興味を持つようになったのはかなり大人になってからで、子供時代から大学生になるまでは物語そのもの以外にはさほど興味を持ったことがありませんでした。  そんな中、最初に興味を持った翻訳家数人(必ずしもそれが本業の方とは限らないのですが ^^;)の中のお1人が石井桃子さん、もうお1人が瀬田貞二さんでした。  もちろんその背景にはこのお二人が翻訳された物語への強い思い入れがあったからこそ・・・・ではあるのですが。

その後岩波少年文庫から発刊されている「なつかしい本の記憶」で石井さんが岩波少年文庫の発刊当初ご尽力されたお1人であったこと、さらには荻窪のご自宅の一室に児童図書室「かつら文庫」を開かれた等々の逸話を知るようになり、彼女への敬愛の念が深まっていったものでした。  その後も石井さんが日本で児童文学の普及やら子供の図書館を広めるためにご活躍された話を知れば知るほど、石井さんへの憧れが強くなっていきました。

もっとも現実社会を生きていくために KiKi 自身は彼女の後を追うような生き方は選択せず、単なる「児童文学ファン」としての道を選び、自身の生活の糧は別の方法で得てここまで生きてきたわけですが、心の中のどこかに未だ燻り続けるちょっとした夢のような形で「児童文学に何らかの貢献ができる人になりたい」という想いは抱き続けています。  まあ、恐らくこれは単なる「夢」で終わってしまうことになるのだろうと諦めている部分もあるので、実現するのはそれこそ「夢のまた夢」なのでしょうけれどね(苦笑)

 

ま、そんな KiKi なので、このエッセイ集の中でもっとも興味深く読むことができたのは、石井さんが欧米の特にアメリカの図書館を見て歩かれた留学体験記の部分でした。  アメリカの図書館司書たちの活動ぶり、勉強の仕方等々は現代の日本でも見習うべきところが多いように感じました。  アメリカ(に限らず西欧社会)って、日本のように質の良い廉価な文庫本はなくて、ハードカバーのやたらと高い本か、質の悪い紙 & 装丁のペーパーバックばかりという印象が強かったんだけど、その分、図書館文化の方は進んでいる(いた・・・・なのかな?)のかもしれません。  

アメリカの図書館司書たちの活躍ぶりを読んでいる時にふと思い出したことがありました。  何年か前に一世を風靡した映画「ユー・ガット・メール」でメグ・ライアンが演じた「街角の小さな本屋さん」の店主のことです。  彼女はニューヨークの片隅で、母親の代から続く老舗の小さな絵本専門店の店主という設定で、児童書の造詣の深さたるや出版業界でも名が知られていて云々というエピソードが含まれていました。  映画のメイン・ストーリーはそんな彼女の不器用な恋愛だったのですが、KiKi にとってはそんな恋愛話はある意味どうでもよくて、彼女の地味ながらも素敵な仕事とその評価の高さにある種の羨望を覚えたことをありありと思い出しました。  そんな彼女とこの本の中で石井さんが出会ったアメリカの図書館司書の方々とはどこか通じるものがあるように感じました。

さて、最近では子供の本離れがますます激しくなっていると聞いたことがあります。  もちろん今の子供達には本以外にもゲームとか漫画とかアニメとか楽しいものがいっぱいあって、本を読むな~んていうある種地味でそのうえあるタイプの子供には慣れるまでは苦痛さえ伴うかもしれない活動よりも手っ取り早くて刺激も大きいものに流れていってしまうのも致し方なしと感じることも否定できません。  

でも、今、KiKi が切実に感じるのはゲームとか漫画とかアニメはどこか「遊ばされている感」が否めないのに対し、本にはどこか「自発的に遊んでいる感」が漂っているような気がする・・・・ということです。  もちろん本だって作家が描いたある世界観の中で、作家が描いたある筋立てで進行するのでそういう点ではゲーム、漫画、アニメと何ら変わるところがないんです。  でもそうであるにも関わらず、何故か読書をしている間に「本当の自分」がチョロチョロと顔を出してくる・・・・そんな印象があるんですよね~。  

例えば今、KiKi は大人になって「岩波少年文庫」を読み直しているわけだけど、子供時代とは異なる場面で感動したり、考えさせられたりします。  でも、ゲーム、漫画、アニメの世界では何故か感動するのは常に同じ場所、しかもそこにはBGMだったり絵柄の派手さだったり音の大きさという別の要素が大きく影響している気がして、「煽られちゃった感」を感じずにはいられません。

これは本に比べてそれらのメディアが新しいから、KiKi 自身が成長するに十分なほど時を経ていないからなのか?と考えてみたこともあったんですけど、例えば KiKi が子供時代に読んだ「ベルサイユのばら」とか「エースをねらえ!」といった漫画であってさえも、今読み返してみても「大人になってこその感慨」みたいなものはあまりなくて、子供時代に泣いたり笑ったりしたところで鼻の奥がツンとしてきたり大笑いしているところをみるとそればかりじゃないような気がしないでもありません。

いずれにしろ石井桃子さんが日本の子供達のために・・・・・と尽力されたその成果を享受した初期の世代に KiKi たちがいることを思うと、この「日本の子供たちの本離れ」という傾向に対し憂いを感じ何らかのアクションを起こすのはある種の責務みたいなものなのではないか?  そんなことを感じた読書になりました。  もっとも・・・・・・

だからと言って具体的に何をしたらいいのか?は、全くイメージできていない情けない状況なんですけどね(苦笑)  とりあえず手っ取りばやいところで、もうすぐ3歳になる孫のクリスマス・プレゼントに「うさこちゃんシリーズ」の絵本でも送ってみましょうか??  

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このページは、KiKi (Brunnhilde)が2014年11月17日 12:43に書いたブログ記事です。

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