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一挙に2冊読了!

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さて、一昨日からLothlórien_山小舎に帰ってきている KiKi ですが、昨日はお天気も不安定、長距離ドライブの疲労も手伝ってほぼ丸一日ウダウダと過ごしていました。  もちろんウダウダしている時、ただ単にぼ~っとしているわけではなく(何せ KiKi はあのばぁばの血を引いているのですから、ぼ~っとばかりしていたら認知症への道をまっしぐらとなってしまいます!)、こういう時のためのお友達が 読書 & 音楽鑑賞なのです。

本来なら限られた時間の我がグランド・ピアノとの対面なので、久々のピアノ弾きまくりといきたいところなのですが、ピアノを弾くっていうのは案外体力が必要なんですよね~。  蓄積疲労と頭が少しぼ~っとしている状態でピアノを弾いてもいいことは1つもないことは長年の経験でよ~くわかっています。

ま、てなわけで、お布団の上でゴロゴロしながら、最近ではなかなか集中して読書タイムを持つことができずにいたので、実家から持ってきた本を読んでいたらあっという間に読了してしまいました。  で、本来ならここで久々の読書カテゴリーの「感想文」アップといきたいところなのですが、残念なことに今読んでいる本はシリーズもの。  (北方謙三さんの「楊令伝」のしかも第9巻という真ん中辺 ↓)  中途半端なエントリーを書いてもそれはそれ、ストレスの素です。


楊令伝 9
著:北方謙三  集英社文庫

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歴戦の同志を失いながらも、梁山泊軍は、童貫軍と全軍あげてのぶつかり合いを続けている。  乱戦の中、戦場の中央に陣取る郭盛軍は少しずつ前進を始めた。  童貫は『幻』の旗に向かい、岳飛は楊令軍を止めるべく疾駆する。  一方、金軍は宋領深く南下し、青蓮寺は北の大商人たちの財産接収を始めていた。  歴史が大きく動こうとするなか、ついに楊令と童貫が戦場で邂逅する。  楊令伝、圧巻の第九巻。 (文庫本裏表紙より転載)

でね、早速次へ・・・・・と思ったら、最近ではめっきり読書ペースが落ちているので不覚にも KiKi は実家からこの先(第10巻以降)を持ってくるのを忘れちゃっていました・・・・・^^;  何せ1日で1冊読了な~んていうのは昨年末以降、ほとんどの時間を沼津で暮らすようになってから初めての経験だったもので・・・・・・。

でね、実は「北方水滸 & 楊令伝」は電子書籍でも買ってあったので(文庫本の方は父の蔵書)そちらで続きを・・・・・と思ったら、どうしたことか、SONY Readers の調子が悪くページ変更に恐ろしく時間がかかる症状が出てしまっていて、こんなんじゃ読書中のストレスがたまったものではありません。

しかも・・・・・です。  実は、つい先日、Sony Readers から司馬遼太郎さんの「竜馬がゆく」の配信が始まったばかりでそれもダウンロードしてあったんだけど、こちらも同じ症状でとてもじゃないけど読書意欲を削ぐ時間のかかりようです。  ま、てなわけで仕方ないのでLothlórien_山小舎の本棚に鎮座している文庫本のこちらに手を出し、結果的にそれも読了してしまいました。


竜馬がゆく 1
著:司馬遼太郎  文春文庫 

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「薩長連合、大政奉還、あれァ、ぜんぶ竜馬一人がやったことさ」と、勝海舟はいった。  坂本竜馬は幕末維新史上の奇蹟といわれる。  かれは土佐の郷士の次男坊にすぎず、しかも浪人の身でありながらこの大動乱期に卓抜した仕事をなしえた。  竜馬の劇的な生涯を中心に、同じ時代をひたむきに生きた若者たちを描く長篇小説全8冊。  (文庫本裏表紙より転載)

この「竜馬がゆく」は学生時代に何度か読了しているんだけど、せっかくこのタイミングで電子書籍化されたので、久々に読んでみようと思っていたんですよね~。  で、わざわざ電子書籍で購入したにも関わらず相変わらず文庫本で読んでいるところが情けないんだけど、それでもせっかく購入したのに読むに読めないというのはもっと精神的によろしくないような気がしたので手を出しちゃったというわけ。  

神曲 煉獄篇 ダンテ

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さて、ちょっとペースダウンしてしまっていたのですが、ようやく「神曲 煉獄篇」を読了しました。  いや~、ここは結構辛かったです。  必ずしも面白くなかったわけではないのですが(とは言うもののおしまいの方は面白くなかったけれど・・・・ ^^;)、先日もこのエントリーでお話したように、そもそも KiKi にとっては「地獄」と「天国」はそれでもまだ馴染みのある概念なんだけど、「煉獄」っていうやつだけは正直「何?  それ???」っていう感じなんですよね~。  ま、とにもかくにも本日の Review はこちらです。

神曲 煉獄篇
著:ダンテ 訳:平川佑弘  河出文庫

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二人の詩人、ダンテとウェルギリウスは二十四時間の地獄めぐりを経て、大海の島に出た。  そこにそびえる煉獄の山、天国行きを約束された亡者たちが現世の罪を浄める場である。  二人は山頂の地上楽園を目指し登って行く。  永遠の女性ベアトリーチェがダンテを待つ。  清新な名訳で贈る「神曲」第二部煉獄篇。  (文庫本裏表紙より転載)

まずは「煉獄って何?  どこ??」という疑問を払拭しておかないと、とにかく先には進めそうもないので、Wikipedeia で調べてみると、こんな説明が載っています。

煉獄(れんごく、ラテン語: purgatorium)とは、キリスト教、カトリック教会の教義のひとつ。

カトリック教会においては、神の恵みと神との親しい交わりとを保っていながら完全に清められないままで死んだ人々は、天国の喜びにあずかるために必要な聖性を得るように浄化の苦しみを受けるとされており、この最終的浄化を煉獄という。  第2バチカン公会議以降の教会の現代化の流れにより、現代のカトリック教会においても煉獄について言及されることはほとんどない。

煉獄の教義は、教会の東西分裂以降のカトリック教会にて成立した。  このような経緯もあり正教会では煉獄を認めない。  またプロテスタント教派もルターを始めとして煉獄の教義を認めない。  古くは「浄罪界」とも訳される。

地獄は救いの無い場所天国は罪の一切無い場所と定義されるが、煉獄はキリスト者として罪の贖いを受けて救済を約束されていながら、小罪および罰の償いが残っているため、浄化を必要とする者のためにある場所と考えられている。  聖書に具体的な記述があるわけではないが、「マタイによる福音書 12章32節」において、後の世で赦される可能性が述べられていること、および、「マカバイ記 2の12章43節」において、罪を犯した死者のために執り成しの祈りを認めていることを根拠にしている。  カトリック教会は死者のための祈りのほか、死者のための施し、免償、償いのわざを勧めている。  煉獄における救済は、聖母マリアおよび諸聖人の執り成しによるとされる。  (Wikipedia より転載)

なるほどね~。  「煉獄における救済は、聖母マリアおよび諸聖人の執り成しによるとされる」から、ここにいる人たちはすすんでダンテに身の上を語り、現世に残された縁者の祈りを必要とするのでその言伝をダンテに託し、さらにはダンテ自身が最終的にはここでベアトリーチェに出会うという「神曲」のおおまかなコンセプトを決定づけているわけですねぇ。

それにしてもキリスト教の教義によって煉獄を認めたり認めなかったりというぐらいだから、キリスト教徒ではない KiKi にとってこの「煉獄」という概念がわかりにくいのも無理はないですよね。  だいたい、この「煉獄篇」の描写なんですけど、確かに地獄ほどは迫力がないものの結構「地獄まがい」のおどろおどろしい場面もあったりして、「地獄と何がどう違うんだろう??」と思ってしまう場面もなきにしもあらず・・・・・。  まあ、同時に美しい森があったり、清々しい風が吹いていたりもするので尚更のこと「正直よくわからない場所だなぁ・・・・」と。

そこでもう少しだけ「煉獄調査」を進めるために、敢えて「マタイによる福音書 12章32節」と「マカバイ記 2の12章43節」を(そこだけを)読んでみるとこんな感じです。

「マタイによる福音書 12章32節」
人の子に言い逆らう者は許される。  しかし、聖霊に言い逆らう者は、この世でも後の世でも許されることがない。  (新共同訳 聖書より転載)  

「マカバイ記 2の12章43節」
次いで、各人から金を集め、その額、銀二千ドラクメを贖罪の献げ物のためにエルサレムへ送った。  それは死者の復活に思いを巡らす彼の、実に立派で高尚な行いであった。  (新共同訳 聖書より転載)

う~ん、読めば読むほどよくわからん・・・・・・ ^^;  ま、いっか・・・・・。 

神曲 地獄篇 ダンテ

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さて、本日はようやくここにたどり着けました・・・・の、「神曲」です。  いや~、ここに辿りつく前に「チェーザレ」の Review を書いていた頃は「いつになったらメインの『神曲』にたどり着けることやら・・・・」とちょっと気弱になったりもしていたのですが(あの漫画の Review が大変だったということではなく、「神曲」自体が3冊組だし、比較的厚めの文庫本だしということで・・・・ ^^;)、ようやくたどり着けたというだけで感無量です。  そして、KiKi はこれまでの人生で3回ほど「神曲読破」に挫折しているだけに、ちょっと恐る恐るという感じで手に取りました。  でもね、今回は挫折しませんでしたよ~、まだ第一部だけだけど・・・・・(苦笑)  ま、てなわけで「神曲 3部作」の第1部、「地獄篇」の Review です。

神曲 地獄篇
著:ダンテ 訳:平川佑弘  河出文庫

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1300年春、人生の道の半ば、35歳のダンテは古代ローマの大詩人ウェルギリウスの導きをえて、生き身のまま地獄・煉獄・天国をめぐる旅に出る。  地獄の門をくぐり、永劫の呵責をうける亡者たちと出会いながら二人は地獄の谷を降りて行く。  最高の名訳で贈る、世界文学の最高傑作。  第一部地獄篇。  (文庫本裏表紙より転載)

そう言っちゃなんだけど(ひょっとしたら不謹慎?)、面白かったぁ!!!!  「神曲」というタイトルからして「どこか説教じみた抹香くさい話なんじゃないか?」と思ったり、これまでにチャレンジした難解な文語調翻訳で「う~ん、よっぽど余裕がないとこれは読み終えることができない・・・・・(溜息)」という先入観があったりで、興味を持ちつつもどうしても読み進めることができなかった作品だけど、この平川版の「神曲」は「読み易い」「面白い」「翻訳日本語が美しい」の3拍子 + ギュスターヴ・ドレの挿絵のインパクトであっという間に地獄篇を読み終えてしまいました。  あ、因みにそのドレの挿絵はこちらのサイトで見ることができます。

ギュスターヴ・ドレの挿絵

以前にチャレンジした時はほとんど進まなかったせいもあって全く気がつかなかったんですけど、「神曲」ってコテコテ・キリスト教文学かっていうとそんなことはなくて、KiKi の大好きな「ギリシャ神話」とか「英雄叙事詩」とか「歴史モノ」と親和性の高い作品だったんですねぇ。  ま、そんなこともあり、やはりこの作品を本気で楽しもうと思ったら最低限 「聖書」、「ギリシャ神話」、「ホメロス;イリアス & オデュッセイア」、「古代ローマ史」の基本的知識は必須でしょうねぇ。  ま、これに追加でダンテの生きた時代のイタリア情勢も知っていればさらに面白いのかも!!  もっとも KiKi は凡そそのあたり(ダンテの生きた時代のイタリア情勢)の知識には疎いのですが、それでも微に入り細に入り付してくれている「注釈」のおかげで、とりあえず一読するには何ら不都合は感じませんでした。

また、この本では各歌の前に「平川さんの手による簡単なあらすじ」が付されているのも KiKi にとってはグッドでした。  

さて、iPod にまつわる様々なトラブル発生のため、ちょっと忘れかけていた企画(?)を続行したいと思います。  何事も中途半端はいけません (>_<)  ま、てなわけで本日は「リング祭り」第2段を決行したいと思います。  本日の KiKi の1冊 & 1曲はこちらです。

ワーグナー ニーベルンゲンの指環 ヴァルキューレ
ORFEO C660 513Y 演奏:クナッパーブッシュ指揮 バイロイト56年ライブ

KnappertsbuschRing56.jpg   (Amazon)  

 

ニーベルンゲンの指環 ワルキューレ
作・R. ワーグナー 訳:高橋康也・高橋迪 絵:アーサー・ラッカム  新書館

f767a1909fa0694c40143210_L__SL500_AA240_.jpg (Amazon)

この絵、本当にステキでしょ♪  これが KiKi (というより Brunnhilde)が Brunnhilde というHNを名乗ろうと思った時にイメージしていたブリュンヒルデの Visual 版(笑)  こちらもこの写真だとあまりにも見難いと思うので、本物をご紹介しておきたいと思います。

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勇んで駒を進めよ、勇敢な乙女!
激しい争いが始まろうとしている。
ブリュンヒルデよ、決闘の場に赴き、
ヴェルズングに勝利を与えるのだ。
フンディングは倒れたままに放置するがいい。
ワルハラにふさわしくない男だ。
いざ、馬を駆って戦場へ急ぐがいい!

 

ニーベルングの指環全編の中でもっともメロディアスな音楽に満ち溢れている(と個人的には思っている)このヴァルキューレ。  そのヒロインたるブリュンヒルデは KiKi の憧れでした(笑)  でも、そんな彼女が登場するのは第2幕から。  第1幕はジークフリートの両親であるジークムントとジークリンデの出会いから近親相姦、そしてだいじなものであるノートゥングのゲットまでです。

このCDでは何ともお気の毒なことにジークフリート役のヴォルフガング・ヴィントガッセン(T)さんが、ジークムントと2役を演っていらっしゃるんですよね~。  ライヴのはずだから、連日、歌いっぱなしってことです。  何ともまあお気の毒なことで・・・・・。  とは言うものの、1リスナーとしては本当にありがたいことです。  やっぱり違うなぁ、ヴィントガッセン。  何て言うか、説得力があるんですよね~。

ヴィントガッセンだけじゃなくて、とにかくこのボックス、配役表の顔ぶれがすごいと思うんですよね。  バイロイトがこれほどワグネリアンを熱くさせた時代は、やっぱり50年代だと個人的には思うんですよ。  その50年代の歴史的な記録がこの音質で聴ける・・・・・というだけで、KiKi は胸が熱くなってしまいます。  「ラインの黄金」の時にはかなり気になった「オケの音が引っ込んでいる感じ」がこのヴァルキューレからはだいぶバランス改善されているように感じるし・・・・・。  (KiKi の耳が慣れただけかもしれないけれど ^^;)

 

さて、なかなか重量感のある本やら音楽やらにひたっている今日この頃・・・・・ですが、ここいらで「ニーベルンゲン繋がり」ではあるものの、若干軽め(?)の本を読んでみようかな?と思います。  ま、これを「軽い」と見るか、「重い」と見るかは人それぞれだとは思うんですけど・・・・・ ^^;  その1冊とはこちら(↓)です。

「ニーベルンゲンの歌」の英雄たち
著:W. ハンゼン 訳:金井英一/小林俊明  河出書房新社

51S25SMCTBL__SL500_AA240_.jpg  (Amazon)

KiKiはねぇ、とにかく「ニーベルンゲン」で始まる書物を探しまくった過去がありまして・・・・。  その時に比較的入手しやすい(お値段的に・・・・だったり、絶版になっていない・・・・という条件だったり)もの、もしくは何となくフィーリングで「コレ!」と思ったものを少しずつ買い集めてきたっていう経緯があります。  ま、その際に今年に入ってからこれまでにご紹介してきている本だとか随分昔のことになっちゃうけどご紹介したこの本だとかを揃えたわけですが、今日ご紹介しているこの本はそのリストの中から購入したわけではありません。  じゃ、これを購入したいきさつは・・・・・と言えば、ズバリ書店で見かけたこの表紙の雰囲気・・・・・であります。

ど真ん中にある真っ赤な剣(バルムンクでしょうか?)も何だかカッチョイイし、左端の青緑っぽい色で描かれた「ジークフリート竜を退治する」の絵もいいし、ど真ん中の中世戦闘絵巻っぽい絵も何ともキャッチーでねぇ(笑)

で、本屋さんで立ち読み状態で「まえがき」部分をさらっと流してみたら、「ニーベルンゲンの歌」に登場する人たちは歴史上人物の誰にあたる?を探った本・・・・とのこと。  ま、真偽のほどはともかくして、こういうお話って悠久のロマンを感じて、想像するだけでも楽しいじゃないですか!  

古い世の物語には数々のいみじきことが伝えられている。
ほまれ高い英雄や、容易ならぬ戦いの苦労や、
よろこび、饗宴、哀泣、悲嘆、また猛き勇士らのあらそいなど、
あまたのいみじき物語を、これからおん身たちに伝えよう。
   (「ニーベルンゲンの歌」 第1歌謡 岩波文庫 相良守峯  より転載)

古(いにしへ)の譚話(ものがたり)に数々の奇しきことども語り伝へらる。
誉れ高き偉丈夫(ますらを)ばら、いとどしき艱難辛苦、
歓喜(よろこび)と饗宴(うたげ)、涙と歎きのことども、
さては勇しき武夫(もののふ)の闘ひの奇しき話をいざ談り(かたり)申さん。
   (「ニーベルンゲンの歌」 第1歌謡 東洋出版 服部正巳  より転載)

相良さんの訳の方が断然読み易いけど、服部さんの訳だと文語調で雰囲気があっていいですね~。  ま、そんな「古の譚話」とやらにどんなものがあったのか興味は尽きず・・・・・ということで購入した本がこの本っていうわけです。  因みにこの本でルーツが検討されている「ニーベルンゲンの歌」の登場人物はこんな感じです。

グンター王
ブリュンヒルト
ジークフリート
ハーゲン・フォン・トロニエ
リューディガー・フォン・ベッヒェラーレン
エッツェル王
クリームヒルト
ディートリッヒ・フォン・ベルン
フォルカー・フォン・アルツァイ

うんうん、メジャーどころは押さえてありますね、ヒルデブラントを除くと・・・・・(笑)

 

さて、今年はリングで幕を開けた KiKi。  で、その元本でもある「ニーベルンゲンの歌」関連のエントリーを連日書いてきたりしていたわけですが、久々に怒涛のリング熱に浮かされ始めちゃったみたいです。  ま、たまたま、新しい iPod を購入したことによって KiKi のお宝「リングCD」を4本もデータ転送して、極力見ないようにしてきたCDを棚から出しちゃった・・・・・ということもあったもので・・・・・ ^^;  ま、こうなったら毒を食らわば何とやら・・・・ということで、リングに嵌るのもありかな?と自分勝手に思い込むことにしてしまおうかな・・・・しちゃってもいいよね・・・・・しちゃえぃ!・・・・しちゃうしかないでしょ・・・・という4段活用に至ってしまいました。  こうなったら「リング祭り」でやんす!  

何がお祭りかって???  それはね、せっかくの機会なので、お宝CD(のうちの1つ)とお宝本を同時にご紹介しちゃうことにしたからなんです。  

ま、てなわけで本日の KiKiの1曲と1冊はこちらです。

 

ワーグナー ニーベルンゲンの指環 ラインの黄金
ORFEO C660 513Y 演奏:クナッパーブッシュ指揮 バイロイト56年ライブ

KnappertsbuschRing56.jpg  (Amazon)  

 

ニーベルンゲンの指環 ラインの黄金
作・R. ワーグナー 訳:寺山修司 絵:アーサー・ラッカム  新書館

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CDの方はカイルベルト盤にしようか、クナッパーブッシュ盤にしようか、ベーム盤にしようかと散々悩んだ挙句に今回はクナ盤の56年バイロイトライブを選びました。  上記(↑)の Amazon Link でご紹介しているものと KiKi が持っている Box (画像のもの)とでは見た目がちょっとだけ違うんですけど、データを見る限りでは同じもの・・・・のようなので、恐らく現在ではこの形で販売しているんだろうと解釈してこのリンクを張っておきました。

ま、最近の録音ものに比べると音はちょっとだけよくない(ちょっとオケの音が引っ込んだ感じ?)けれど、逆に言えば歌が前面に出てきていて、それはそれでいいかな・・・・と。  ま、それに iTunes で再生する分にはそれが気になって不満に思うというほどの問題ではないので・・・・・ ^^;  それよりはやっぱり良くも悪くもそこそこ評判のあるクナの56年ライブであるっていうことが大切だろうと思うんですよね~(笑)  

で、基本的にはオペラは極力、映像つきでご紹介してきている KiKi ですが、今回はそのポリシーを曲げてまでしてCDを取り上げているので、手元に本を置いて、それを読みながらの鑑賞としてみようという趣向です。  で、実は KiKi は本の方もこれとは別の新書館発行の本も持っているんだけど、ここはやっぱりお宝のアーサー・ラッカムの挿絵入りの本の方をご紹介するタイミングだろうな・・・・・と。

この本の表紙の挿絵、ちょっと見難いだろうと思うので本物をご紹介しておくとこんな感じです。

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(↑) ライン河をはさんで、山頂から神々の城ワルハラへ虹の橋がかかる。

ラインの黄金!
おまえはあたしたちの涙の結晶!
夕陽に照り返す輝かしい財宝!

あたしたちの心の歌声!
おまえはどこへ行ってしまったの?
もう一度あたしたちのふるさとへ帰っておいで!
ラインの黄金!

ラインの黄金! 涙の結晶!
月光のため息! ・・・・・帰っておいで。
再びあたしたちのライン河の水底で光っておくれ!
水に揺らめいてこそ、詩も真実もあるが、
上のお城が持っているのは、いつわりの月日だけ!
呪われろ! 呪われろ! 呪われろ!

 

素敵でしょう、この挿絵。  ラッカムですものね~。  こんな幻想的な挿絵が満載の本が今では絶版なんですよね~。  復刊する気はないんでしょうか? > 新書館さん

 

今日はここ何回か連載した石川栄作教授の「ニーベルンゲン関連」の著作のベースにある叙事詩の傑作「ニーベルンゲンの歌」をご紹介したいと思います。  当分の間 KiKi の読書カテゴリーのエントリーはこの「ニーベルンゲン関連本」に関するエントリーが続いちゃうと思いますが、悪しからず・・・・。  何せ今年のテーマなもんで ^^;

ニーベルンゲンの歌
訳: 相良守峯  岩波文庫

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51TJFY8XGRL__SL500_AA240_.jpg  (Amazon)  (Amazon)

ニーベルンゲンの宝を守る竜の血を浴びて不死身となったジーフリト。  だが妃クリエムヒルトの兄グンテル王の重臣ハゲネの奸計により殺されてしまう。  妃の嘆き、そして復讐の誓い。  こうして骨肉相喰む凄惨な闘いがゲルマン的忠誠心の土壌のうちに展開する。  均整のとれた美しい形式と劇的な構成をもち、ドイツの「イーリアス」と称せられる。  (前編表紙より転載)

夫ジーフリト暗殺に対する復讐を誓ったクリエムヒルトは、その手段としてフン族のエッツェル王の求婚に応じた。  そして10余年、宮廷に兄グンテル王、めざす仇ハゲネらを招いた彼女は壮絶な闘いの上これを皆殺しにする。  しかし自身も東ゴート族の老将の手で首をはねられる。  戦いは終り、あとにエッツェル王ら生者の悲嘆を残して幕は閉じられる。  (後編表紙より転載)

 

ニーベルンゲンの宝
著:G. シャルク 訳:相良守峯  岩波少年文庫(特装版)

2010Jan11_001.JPG  (単独では販売していないようです。
                    特装版_30冊セットで Amazon)

 ドイツのえら~い学者さんが、「ドイツ文学史」というたいそうな本の第1巻に 「ドイツの作家精神の生んだ最大の産物、ドイツ人気質をもっとも完全に、かつ明瞭にあらわしている作品、そして万一ドイツ民族がこの世から消え失せた暁に、この民族の名をもっとも輝かしく世にのこすべき作品をあげよとならば、我々はそれをただ二編の文学に局限することができるであろう。  それはすなわちニーベルンゲンの歌ゲーテのファウストである。」と絶賛した・・・・とされる、「ドイツのイリヤス」とも呼ばれる作品です。  この本をこの文庫で通して読んでみるのは何年ぶりのことでしょうか。  せっかくリングで年明けを迎えた今年だからこそ再読する気になった本・・・・と言えるかもしれません。

イリヤスの方が古いにも関わらず、一応あちらは「ホメロス作」ということで全世界共通認識が持たれているのに対し、こちらの方が新しいにも関わらずこちらは「パッサウからウィーンに至るドナウ地方出身の詩人」という以上には作者に関して世界的な統一見解というものが持たれていません。  そしてこの叙事詩は「ニーベルンゲン詩節」と呼ばれる一種独特の形式、リズム感で書かれている韻文なのだそうですが、ドイツ語の読めない KiKi にはそれがどれほど素晴らしいものなのか、正直なところ漠然・・・・としかわかりません。  もっともこの韻文を翻訳されていらっしゃる相良守峯さんのご努力のおかげで、とっても味わいのある訳文がいかにも「歌」という雰囲気を醸し出してくれています。

前編は19歌章、後編は20歌章から成り、ゲーテは「前編はより多く華麗、後編はより多く強烈。  しかし両編ともその内容において、また形式において、相互にまったく均衡を保っている。」と仰っているとか・・・・、確かにその通りで前編はきらびやかな宮廷生活描写や明るいジーフリトのおかげでゴージャス感に溢れています。  これに対して後編はクリエムヒルトの結婚 & リュエデゲールの元での祝宴あたりまでは辛うじて華麗な感じを保っているものの、それでもどこかに最後にぱっと燃えさかるロウソクの炎のような、そして仇花的な雰囲気もあり、グンテル王御一行様がエッツェル王の宮殿に到着してからは血みどろ、力(Power)のインフレ、火責め、壮絶・・・・・と恐ろしい世界が繰り広げられ、そして誰もいなくなった・・・・(嘆息) っていう感じです。

過去にこの本を読んだときはゲーテのいう「両編とも内容 & 形式において、均衡を保っている」というのが理解できなかったんですよね。  どちらかというと、前編では貞淑な乙女チックなクリエムヒルトの変貌がおよよ・・・・だったり、前編であれだけ存在感を示していたプリュンヒルトが後編では消え去ってしまっておよよ・・・・だったり。  でもね、今回は例の石川教授の2つの著作 (1) (2) と並行して読み進めていたために、ゲーテのいう「保たれている均衡」というのがどういうことなのか KiKi にもよく理解できたように思います。 

さて、今日は先日ご紹介した「ジークフリート伝説」の前に石川栄作教授が書かれた「『ニーベルンゲンの歌』を読む」をご紹介したいと思います。  この本も再読だったのですが、今回は「ニーベルンゲンの歌 (岩波文庫)」を傍らに置きながら読み進めたので、又、新たな発見があったように思います。

「ニーベルンゲンの歌」を読む
著:石川栄作  講談社学術文庫

51XQHAPR6GL__SL500_AA240_.jpg  (Amazon)

古代ゲルマン英雄伝説と華麗で雅やかな中世騎士文化、この2つが見事に融合した「ニーベルンゲンの歌」はドイツ文学の最高傑作であり、一大記念碑でもある。  主人公ジークフリートとクリエムヒルトが秘める二重生活、また、結婚と招待、復讐のもつ意味を精細に分析し、民族の歴史と共に語り継がれてきた伝説の系譜にゲルマン文化の変遷を辿り、作品の意義と魅力を語る。 
     (単行本裏表紙より転載)  

先日の「ジークフリート伝説」とダブっている記述も散見されるけれど、こうやって立て続けに2冊を読んでみると、今までの読書以上に頭に残ったような気がします。  この本に関しては恐らく過去に2回は読んでいるはずなんだけど、今回読み直しながら「そうそう、そういえばそういうことが書いてあったんだっけ!」と何度思ったことか!(笑)  まあ、初読の時は肝心要の「ニーベルンゲンの歌」よりもワーグナーのリングだけを意識しながら読んでいた・・・・という嫌いもなきにしもあらずだったし、2回目は通勤途中の電車の中で途切れ途切れに読んでいたので、何となく印象が薄い・・・・ということがあったように思います。

今回改めて読み直してみて、一番 KiKi の注意をひいたこと。  それは「第4章 悲劇の二重構造」の中にある以下の記述でした。

ジーフリトの死にはニーベルンゲン財宝の霊力が働いていたことが明らかである。  ジーフリトは今やニーベルンゲン族と呼ばれていることにも注目する必要がある。  ニーベルンゲン (Nibelungen) とは「霧の国の人々」、すなわち、「冥界に行くべき人々」を意味し、ニーベルンゲンの宝を持つ者は滅びなければならない。  ジーフリトはニーベルンゲンの宝の所有者となり、ニーベルンゲンの国の主人となったがために、滅びなければならない運命にあるのである。  ここには古代ゲルマンのニーベルンゲン伝説に由来する不思議な力が作用しており、前編の主人公ともいうべきジーフリトは最初から死すべき運命にある古代ゲルマンの英雄である。  (以下略)

このように前編では侏儒族からニーベルンゲンの財宝を奪い取ったジーフリトがニーベルンゲン族と呼ばれていたのに対して、後編においてはフン族の国へ出かけるブルゴント族がニーベルンゲン族と呼ばれていることは注目すべきである。  今や滅びていくのは、ジーフリトから財宝を奪い取ったブルゴント族である。  前編と同じように後編においてもここでは素材に由来する財宝の呪いが支配しており、ブルゴント族は、ニーベルンゲンの財宝をクリエムヒルトから無理やり奪い取ったがためにジーフリトと同様、所有するや否や、滅びていかなければならないのである。 (以下略)
     (本文 p.215-216 より転載)

以前、KiKi は「ゆびわの僕(裏ブログ)_Lothlórien開設時にこちらに統合」で「ニーベルングの指環が象徴するもの」というシリーズもののエントリー (1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8)を書いているのですが、その頃にはこの本を一読していたにも関わらず、ここに書かれていた内容に関してはすっかり頭から抜け落ちていました ^^;。  そうかぁ、「ニーベルンゲンの指環」の「ニーベルンゲンの」には実は深~い意味があったんですね!!  あのエントリーはどこかで訂正(もしくは追記)しなければならないだろうなぁ。    

先日もこのエントリー(↓)でお話したとおり、今年の年初はワーグナーのリングで幕開けした KiKi。  そもそも KiKi が長らくネット落ちしていたにも関わらず、このLothlórien_Blog を再開しよう、しかもこれまでバラバラといくつかの Blog で書き分けてきたものを統合して1つの Blog にまとめようと考えたいきさつは・・・・と言えば、もちろんいろいろな理由があるわけだけど、やっぱりその軸にあるのは文学と音楽を統合して扱えるサイトにしたい・・・・・という想いがあったからということが挙げられます。  となるとやっぱり触れないわけにはいかないのが「ジークフリート伝説」と「リング」の関係というトピックです。  ま、てなわけで今年は年初から「ジークフリートづくし」で手にした書物も今のところこ~んな感じです。

ニーベルンゲンの宝 著:G. シャンク 訳:相良守峯  岩波少年文庫(復刻版)
ニーベルンゲンの歌 (前編) (後編) 著:不明 訳:相良守峯  岩波文庫
「ニーベルンゲンの歌」を読む 著:石川栄作  講談社学術文庫
ジークフリート伝説 著:石川栄作  講談社学術文庫
ニーベルンゲンからリルケまで ゲルマン神話   吉村貞司  読売新聞社

今日はその中から「ジークフリート伝説」をとりあげたいと思います。  

ジークフリート伝説
著:石川栄作  講談社学術文庫

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ワーグナーの楽劇「ニーベルングの指環」は、多くの音楽ファンの心を烈しく揺さぶる一大傑作である。  その主人公ジークフリートのルーツはどこにあるのか。  古代ゲルマンの「竜退治」「財宝獲得」の英雄伝説や北欧の伝承「歌謡エッダ」「サガ」などの系譜を辿り、また、主人公の人間像と楽劇の魅力を徹底的に読み解き、ドイツ文化の特質とその精神の核心に鋭く迫る。
       (文庫本裏表紙より転載)

KiKi の又のHNはご存知の方はご存知だと思うんだけど、Brunnhilde を名乗っています。  この Brunnhilde は決して「ニーベルンゲンの歌」のプリュンヒルトから取ったものではなく、ワーグナーのリングから取ったものです。  パソコン通信時代には別のHNを使っていたんだけど、インターネット時代に入った際に Brunnhilde に改名しました。  どうしてこんな長ったらしい、ついでにあまりメジャーとは言えないHNにしたか・・・・と言うと、一応 KiKi は♀なので「こわ~いインターネットの世界」を生き抜くためのある種の防衛反応(?)が働いて、あまり可愛らしい感じのするHNは避けたいなぁ・・・・な~んていうことを考えてこの名前を使い始めました。  

そうしたらこのHNの効力(?)たるやすごいものがあって、「ワーグナーのリング」を知らなくて、「ニーベルンゲンの歌」は知っているというような方から、「そんなに怪力なの?」とか「意外と嫉妬深いの?」みたいな質問をいただいたことがあったりなんかして・・・・・(苦笑)  ま、過去に KiKi が公開していたHPのプロフィールでは「趣味」のところに定番の「音楽鑑賞」「読書」以外に「腕相撲」な~んていうことを書いていたせいもあると思うんだけど・・・・^^;  (趣味:腕相撲 は決して嘘ではなくて、20代の頃は仲間内で腕相撲をよくやっていました)    

ま、この逸話でもわかるように、ジークフリート伝説・・・・・と一口に言っても登場人物だけは同じでも、少しずつお話が違ったり、人の名前もちょっとだけ違ったり、有名なジークフリートの暗殺の場面がベッドの上だったり森の中だったりと色々ヴァリエーション(?)があるんですよね~。  KiKi が最初に出会った「ジークフリートの物語」は恐らく岩波少年文庫の「ニーベルンゲンの宝」だったんじゃないかと思うんだけど、「ニーベルンゲンの歌」はともかくとしてその後色々な本を読んでいく中で「ジークフリートの物語」が出てくるたびに「あれ?  これは KiKi の知っているジークフリートの物語と少し違う・・・・・??」と感じることも多かったし、ましてやもっとず~っと後に接することになった「ワーグナーのリング」では人の役割自体が大幅に変わっちゃっていたりするんですよね~。  で、KiKi の老後の暇つぶしテーマの1つにこの「ニーベルンゲン伝説の変遷をたどってみる」というものがあったりするわけです。  

で、この KiKi の老後の暇つぶしのテーマにもっとず~っと真剣に取り組んでいらっしゃるらしいのがこの本の著者、石川栄作徳島大学教授です。  ドイツ語ができない KiKi に変わって(?)、原典を色々と研究された成果をこの本ともう1冊の「『ニーベルンゲンの歌』を読む(講談社学術文庫)」にまとめられていらっしゃいます。  ま、この2冊以外にこの石川先生は「ニーベルンゲンの歌 構成と内容(郁文堂)」という本も出していらっしゃるようなのですが、こちらはちょっとお高め・・・・なので KiKi は未だに入手できていないし、読んでもいません。  せっかくだから学術文庫でこちらも出していただきたいものです>講談社さん。  

で、この本なんですけど、簡単に言ってしまうと「ニーベルンゲン伝説を、その源流からワーグナーに至るまでをサラリと流してみました」っていう感じでしょうか。  そして、その大きな流れの中でその支流とも言うべき北欧のサガに関しても触れられているのですが、そこはかなりあっさり感があるように感じました。  どちらかというと16世紀の民衆本だとか戯曲に流れていった路線に関しての記述の方が詳しいように思います。    

 

中世騎士物語 ブルフィンチ

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当初の予定では「ギリシア・ローマ神話 (現代:伝説の時代)」に引き続いて読む予定だった「中世騎士物語」。  原題は「騎士の時代; The Age of Chivalry」で、そのメインはアーサー王と円卓の騎士の物語です。  ま、それ以外にも「マビノギオン」からの抄訳、「ベーオウルフ」のほんのさわり、「ロビンフッド」のほんのさわり等々も収録されています。

中世騎士物語
著:トマス・ブルフィンチ 訳・野上弥生子  岩波文庫

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いや~、これまた久しぶり あ~んど 文字が小さめなので読み応えがありました~。  もっとも目新しいことは特に何もなくて(^^;)お馴染みの物語がとっても読み易く、コンパクト(?)にまとまっている・・・・そんな感じの本です。  この本を初めて手に取った学生時代ほどは引き込まれなかったけれど、楽しみながら読むことができたので文字の小ささの割には、どんどん読み進むことができました。  構成がいいと思うんですよね。  まず最初、序説の部分に騎士ってどんな人? どんな装束? 当時の社会階級って?? みたいなことが的確にまとめられていて、それに続くのが英国の神話的歴史の物語。  ここでシェイクスピアでお馴染みのリア王なんかもとりあげられています。  これに続くのがアーサー王と円卓の騎士の物語。  これはどこをどう読んでもトマス・マロリーの「アーサー王の死」が底本でしょうね。  で、更にはウェールズの中世騎士物語集である「マビノギオン」からの抄訳が続きます。  これで終わるのかと思うとさにあらず、最後の最後は英国民族の英雄伝説ということで「ベーオウルフ」「アイルランドのキュクレイン」「ヘレワード」そして「ロビンフッド」の物語がさわりだけ紹介されている・・・・・そんな構成です。  ね、これだけ見ても結構お得感のある構成でしょ(笑)

 

決して阿刀田高さんのファン・・・・というわけではないのですが、「ギリシア神話を知っていますか」や「私のギリシャ神話」を読了した勢い・・・・・のようなもので、通勤電車でも比較的読みやすいだろうという思い込みのもと、同じシリーズの本を何冊か購入してみた KiKi。  今日はその中の一冊、ギリシャ神話繋がりのこちらを選んでみました。

ホメロスを楽しむために
阿刀田高  新潮文庫

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巻末に収録されている漫画家、里中満智子さんの解説にもあるように、やっぱり読み易いって言えば読み易い本だと思います。  で、KiKi も「難しいこと≒高尚」という幻想には疑問を持っているタイプの人間なので、そういう意味ではこういう本がどんどん読まれてちょっぴり敷居の高い(ような気がする)古典文学がもっともっと多くの人、特に若い世代の人たちに読まれるといいだろうなぁと感じているので、本屋さんで岩波文庫の「イリアス」や「オデュッセイア」に手を伸ばしてみたものの、肩をすくめてまた本棚に戻しているような若者にはオススメできるような気がします(笑)。

KiKi 個人としては、阿刀田氏のフィールドワークの逸話こそ楽しむことができたのですが、件の阿刀田氏の「ギリシャ神話関連書籍」を続けて読んだ直後だったせいもあって、目新しさ・・・・みたいなものはほとんど感じることができなかったかなぁ・・・・と。

  

カール大帝の子孫を自認するカペー家に対し、プランタジネット朝は<善王アーサーと円卓の騎士の伝説>を作り上げて対抗した。  王権の権威付けという実に実用的な目的から作られたこの伝説は、やがて思いがけない発展を見せてゆく。

アーサー王伝説
著:アンヌ・ベルトゥロ 監修:松村剛  創元社(知の再発見双書)

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この本は世間に数多ある「アーサー王物語」「円卓の騎士の物語」とは明らかに一線を画しています。  つまり、その物語そのものを語るための本というよりは多分に「アーサー王伝説」がどのように作り出され、その物語がどのように発展し、どんな時代背景によって「聖杯伝説」と結びついていったのかを鳥瞰するような作りになっています。

KiKi は過去に何冊も「アーサー王」もしくは「円卓の騎士の物語」を読んできたけれど、こんな形で「アーサー王伝説」を引きの姿勢で俯瞰してみたことはなかったので面白く読むことができました。  

又、この本には数多くの図版が盛り込まれているので、(何せこの「知の再発見双書」の副題は「絵で読む世界文化史」というぐらいですから!)資料的な価値も高い本だと思います。  まあ、サイズがちょっと小さめなのが残念といえば残念ですが・・・・  「アーサー王伝説」や「円卓の騎士の冒険譚物語」そのものをじっくりと読んでみたい方には別の本をオススメしたいと思いますが、これらの物語世界をある程度ご存知の方で、「アーサー王ってホントは5世紀ごろにサクソン人と戦った司令官なんじゃないの??」とか「円卓の騎士がどうして聖杯を求める旅に出なくちゃならなかったの??」な~んていう疑問を持っていらっしゃる方には1つの見解としてこの本がオススメできるように思います。

 

アーサー王物語
R.L. グリーン編 厨川文夫・圭子訳

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これ、今では絶版状態なんですよね~。  う~ん、どうしてこういう本が絶版になっちゃうのかなぁ・・・・。  まあ現代社会では中世騎士物語よりはSF物語の方がハラハラ・ドキドキ感が味わえるし、この物語の3つの柱のうちの1つ「宮廷恋愛物」はあまりにもくだらないって言えばくだらない・・・・とも言えるんだけど。  何せ宮廷恋愛物っていうのは基本的に「不倫の物語」だし、「プラトニック・ラブ」を前提としているようなところがあるし、現代の自由恋愛とはそもそも恋愛に関する価値観・・・・みたいなものが大きく乖離しているからねぇ。  でもね、「騎士道」なるものを理解するにはこういう物語が一番手っ取り早いと KiKi は思うんですけどね。

 

さて、今日は「ニーベルングの指環」の元本の1つ「ニーベルンゲンの歌」のとっても読みやすい本をご紹介したいと思います。  このブログの右サイドバーでご紹介している本やCDはすべて KiKi の所持品でとってもお気に入りのものばかりなのですが、今まで色々読み漁った「ニーベルンゲンの歌」関係の本の中で1番手っ取り早く読みやすいのがこの本だと思うんですよね~。

ゲルマン英雄伝説
ドナルド・A・マッケンジー 訳:東浦義雄  東京書籍

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